か弱い執事のご主人様
「私、今までずっと九条家に縛られてきたわ。
どこに行っても九条の名が付きまとう。
そんな生活が嫌だった。
だから私は家を出て、
この学院に入るっていったの。
もちろん両親は反対した。
でも私が本気だと分かり、
条件をひとつ出したの」
「それが………」
「そう、
学院から1人を執事として仕えさせる。
両親はこの条件さえ飲めば、
学院入学も認め、金銭的な援助もしてくれるといったの」
やはり大企業のお嬢様には、
一般市民とは違う苦労があるみたいだ。
「だから執事を探していたわ。
でも問題があった」
「問題ですか??」
「それもまた、
九条の名の事だわ。
実際、執事になってくれなんていえば、
この学院ほとんどが喜んで引き受ける。
なぜだか分かる??」
「いえ、ちょっと…」