愛を教えて
そのまま、卓巳の太腿にそっと手を置き、悩ましげな表情でFカップの胸を彼の膝に押し付けてくる。
(全く! 女という生き物は……)
万里子との会話で浮き立った心に冷水を浴びせられた気分だ。
「君に教える義務はない。その汚い手を私の体からどけてくれ。不愉快だ」
「そんな、ひ……ど」
あずさは卓巳を見上げた瞬間、声を失った。
彼の冷ややかな視線に気づいたせいだろう。
豊かな胸の谷間を目にすれば、ほとんどの男が欲望を覚える。しかし、卓巳が感じるのは吐き気だけだ。
いつになく不快を露わにする卓巳に、あずさは思い出したように言った。
「ああ、そういえば! お相手の方、聖マリアのお嬢様なんですって? 太一郎様がおっしゃってましたわ。卓巳様のご結婚が楽しみだ、と」
あずさの言葉に、卓巳は胸の中で毒づいた。
(あの下衆が! 万里子は絶対に渡さない!)
―第3章につづく―
(全く! 女という生き物は……)
万里子との会話で浮き立った心に冷水を浴びせられた気分だ。
「君に教える義務はない。その汚い手を私の体からどけてくれ。不愉快だ」
「そんな、ひ……ど」
あずさは卓巳を見上げた瞬間、声を失った。
彼の冷ややかな視線に気づいたせいだろう。
豊かな胸の谷間を目にすれば、ほとんどの男が欲望を覚える。しかし、卓巳が感じるのは吐き気だけだ。
いつになく不快を露わにする卓巳に、あずさは思い出したように言った。
「ああ、そういえば! お相手の方、聖マリアのお嬢様なんですって? 太一郎様がおっしゃってましたわ。卓巳様のご結婚が楽しみだ、と」
あずさの言葉に、卓巳は胸の中で毒づいた。
(あの下衆が! 万里子は絶対に渡さない!)
―第3章につづく―