愛を教えて
卓巳はそんな不埒な思いに囚われていた。
それが犯罪で、万里子の信頼を損ね、一生許されない罪だとわかっていても。
卓巳の性衝動は限界に達しつつあった。
「卓巳さん……あの、いつまで、こうしてればいいんでしょうか?」
カノンが余韻を残しつつ静かに終わる。
卓巳が上を向いたのと同時に、万里子は彼に背を向けた。
彼女はおそらく、卓巳の邪な思惑など想像もしていないだろう。その無防備な細い肩に、どうしても触れたくなる。
そうっと手を伸ばした瞬間、スピーカーから軽快なメロディが流れ始めた。
パッヘルベルのカノンと対になるジーグだった。
その音にビクッとして卓巳は慌てて手を引っ込める。
(クソッ! なんてザマだ)
自分で自分が情けない。
卓巳は理性を総動員して、体内に目覚めた獰猛な野獣を叩きのめし、屈服させた。
彼女に気づかれる前に、卓巳の本性を悟られる前に、その一念で……。
それが犯罪で、万里子の信頼を損ね、一生許されない罪だとわかっていても。
卓巳の性衝動は限界に達しつつあった。
「卓巳さん……あの、いつまで、こうしてればいいんでしょうか?」
カノンが余韻を残しつつ静かに終わる。
卓巳が上を向いたのと同時に、万里子は彼に背を向けた。
彼女はおそらく、卓巳の邪な思惑など想像もしていないだろう。その無防備な細い肩に、どうしても触れたくなる。
そうっと手を伸ばした瞬間、スピーカーから軽快なメロディが流れ始めた。
パッヘルベルのカノンと対になるジーグだった。
その音にビクッとして卓巳は慌てて手を引っ込める。
(クソッ! なんてザマだ)
自分で自分が情けない。
卓巳は理性を総動員して、体内に目覚めた獰猛な野獣を叩きのめし、屈服させた。
彼女に気づかれる前に、卓巳の本性を悟られる前に、その一念で……。