愛を教えて
「綺麗だ。君の隣に立てて、僕は幸運だ」

「そんなこと……。髪もセットしていただきました。大人のあなたと、お似合いだと言って欲しいから」


いつもは背中で揺れている髪が、今日はしっかりと結い上げられている。
大粒のダイヤで彩られたティアラは皐月からの借り物だという。
ティアラを付けている万里子は、まさにプリンセスのようだった。


「ブルーはガーターベルトにされたんですよね。卓巳様に見せて差し上げてはどうですか?」


雪音はからかうように万里子に言う。


「そ、そんな、それは」


万里子の頬は一瞬で薔薇色に染まる。


ドレスの裾をたくし上げ、太腿に巻いたガーターベルトを……そんなシーンを想像して、卓巳も赤面した。


「やだ、卓巳様ったら、真っ赤ですよ」


卓巳の顔色に、雪音の突っ込みが入った。


「い、いや、そうじゃない。君が余計なことを」

「あら、私はサムシングフォーをお伝えしたかっただけですよ。でも、ガーターを外すのは式が終わってからにしてくださいね」

「あ、当たり前だ。披露宴の最中に、僕が何をすると言うんだ!」


卓巳の言葉に、その場にいる全員が声を上げて笑ったのだった。


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