愛を教えて
(7)卓巳の浮気?
『雪音さんはねぇ。卓巳さんが自分の部屋付きにすると言って、身の回りの世話は全部任せているのよ。あちらに問題がないとなると……やはり、そういったご関係なんでしょうねぇ』
結婚式の直前、万里子は雪音のことを誤解していた。
尚子が意味深な言葉で雪音の存在を教えたからだ。
あずさのように言われたら、卓巳の潔癖な性格から考えて嘘かもしれないと思える。
だが、雪音本人はそういったことを一切口にしなかった。
しばらくして雪音は、万里子の態度がよそよそしいことに気づいた。
『バカバカしい嫌がらせですね。尚子様に、卓巳様のどんな小さな情報でも報告しろって言われて断ったんです。そしたら、愛人とか言い出して』
雪音は笑いながら話してくれた。
万里子にとって雪音はこれまで会ったことのないタイプの女性だった。
女子大の友人たちは、ファッションやエステに興味があり、話題の中心は恋愛。
彼女たちは、静香ほどブランド品で身を固めてはいないし、化粧も濃くないが、流行に疎い万里子に比べれば桁違いだ。
そんな万里子より、更に雪音はそういったことに興味がないらしい。
そして、思ったことを率直に口にする雪音と話をするのは楽しかった。
彼女は邸内の人間関係をはじめ、あずさのことも万里子に教えてくれた。
結婚式の直前、万里子は雪音のことを誤解していた。
尚子が意味深な言葉で雪音の存在を教えたからだ。
あずさのように言われたら、卓巳の潔癖な性格から考えて嘘かもしれないと思える。
だが、雪音本人はそういったことを一切口にしなかった。
しばらくして雪音は、万里子の態度がよそよそしいことに気づいた。
『バカバカしい嫌がらせですね。尚子様に、卓巳様のどんな小さな情報でも報告しろって言われて断ったんです。そしたら、愛人とか言い出して』
雪音は笑いながら話してくれた。
万里子にとって雪音はこれまで会ったことのないタイプの女性だった。
女子大の友人たちは、ファッションやエステに興味があり、話題の中心は恋愛。
彼女たちは、静香ほどブランド品で身を固めてはいないし、化粧も濃くないが、流行に疎い万里子に比べれば桁違いだ。
そんな万里子より、更に雪音はそういったことに興味がないらしい。
そして、思ったことを率直に口にする雪音と話をするのは楽しかった。
彼女は邸内の人間関係をはじめ、あずさのことも万里子に教えてくれた。