愛を教えて
「私のせいなの……きっと知らない間に、男の人を誘う目をしてるんだわ。今もそうなの……私、卓巳さんのこと誘おうとしたのよ」

「君は、いったい何を言ってるんだ?」

「でも、わざとじゃないの。信じて……お願い、軽蔑しないで。もう見ません。二度と、あなたを見つめたりしないから……許して」

「何を……いや、なぜ君が謝るんだ! 悪いのは僕だ。僕が君を押し倒して乱暴しようとしたんだぞ。それなのに、なぜ君が謝る? それに、僕の目を見ないって」


卓巳の胸に衝撃が走った。

結婚式の日、嫉妬のあまり、深く考えもせず口にした言葉。


『そんな目で見るなっ! 男を誘うような……物欲しげな目をするなっ!』


(まさか、こんなにも傷つけていたのか? 僕はなんて愚かなことを)


体を震わせ謝り続ける万里子の姿に、自分の犯した本当の過ちを知る。


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