愛を教えて
「茜さんっ!? 大丈夫、茜さん!」


万里子が目にしたのは、床に押し倒された茜の姿。

メイド服の上半分は引き裂かれ、すでに半裸にされていた。
太一郎は自分の半分ほどの体重しかない少女の上に跨っている。

茜の頬は赤くなり、万里子を見るなりこめかみに涙が一筋流れる。

これが同意でないことは、彼女の口に押し込まれた白い布を見れば明らかだろう。


「なんて……なんてことを……。やめてください。お願いやめて!」

「うるせぇ! 入るなっ! 俺の部屋だ。出て行けよ。邪魔すんじゃねーよ。これからお楽しみなんだからさ。なぁ、茜ちゃん」

「……う……うう……」


茜は必死で首を振る。


万里子の脳裏に、四年前の事件が浮かんだ。
茜の姿が、必死で助けを呼び、泣き叫んだ自分と重なる。

膝が震える。

手も唇も震え、息をするのも苦しい。

でも、万里子は体当たりする勢いで太一郎に突進し、茜の上から突き飛ばした。


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