愛を教えて
万里子はシルクのパジャマを着ていた。
卓巳は白蝶貝のボタンに触れ、上からひとつずつ外し始める。
これが普通の男なら、お決まりの悦びは約束されたのも同然なのだから、興奮の極みだろう。
だが、卓巳にとってこれ以上の試練はない。
指が震え、手が滑り……卓巳自身が滑稽だと思えるほどの無様さだった。
万里子の息遣いがため息に変わることに、卓巳は怯えていた。
ボタンを全部外し終えたとき、シルクは万里子の肌を左右に滑り落ちる。
そこには、薄いキャミソールから今にも零れ落ちそうな、象牙色に煌く豊かな胸があった。申し訳程度に隠されたふたつの頂は、レースに透けてくっきりと見える。
たゆたう灯りに幻想的に浮かび上がる万里子の姿。
卓巳は祈りにも似た感動を覚えていた。
(まるで女神だ……この世に、こんな美しいものがあっていいのか?)
色んな女性に迫られ、慎みとは正反対の意味をなすのが女性の裸だと、卓巳は思い続けた。とくに、たわわな女性の胸は淫乱さの象徴だ。触れるのも汚らわしい。そう思い込んでいた。
それが――。
卓巳は白蝶貝のボタンに触れ、上からひとつずつ外し始める。
これが普通の男なら、お決まりの悦びは約束されたのも同然なのだから、興奮の極みだろう。
だが、卓巳にとってこれ以上の試練はない。
指が震え、手が滑り……卓巳自身が滑稽だと思えるほどの無様さだった。
万里子の息遣いがため息に変わることに、卓巳は怯えていた。
ボタンを全部外し終えたとき、シルクは万里子の肌を左右に滑り落ちる。
そこには、薄いキャミソールから今にも零れ落ちそうな、象牙色に煌く豊かな胸があった。申し訳程度に隠されたふたつの頂は、レースに透けてくっきりと見える。
たゆたう灯りに幻想的に浮かび上がる万里子の姿。
卓巳は祈りにも似た感動を覚えていた。
(まるで女神だ……この世に、こんな美しいものがあっていいのか?)
色んな女性に迫られ、慎みとは正反対の意味をなすのが女性の裸だと、卓巳は思い続けた。とくに、たわわな女性の胸は淫乱さの象徴だ。触れるのも汚らわしい。そう思い込んでいた。
それが――。