愛を教えて
「昔、牧師様に尋ねたことがあります。神様はどうしてこんなに不公平なのか、と」
――神は不公平ではない。今、辛い思いをしているなら、それは試練だ。神は、それに耐え得る者にだけ試練をお与えになる。だから、あなたは必ずそれを乗り越えて幸せになるでしょう。
「そう言われました。卓巳さんは太一郎さんとは違います! 本当に愛する人が現れたらきっと」
その言葉に卓巳は驚いた声を上げる。
「待て、待ってくれ。どうしてそうなるんだ? 僕が君を裏切るというのか!?」
「私じゃダメなんです。きっと……私じゃ」
卓巳の真実の相手は万里子ではなかったのかもしれない。そう思うと、それ以上は涙で言葉にならなかった。
そんな万里子を卓巳は慌てた様子で抱き寄せる。
「馬鹿を言うな。僕が欲しいのは君だけだ。君が不安を覚えるなら、こんなモノは切り落としたって構わない。僕は、君と共に試練を乗り越えて幸福な家庭を築いていきたい。――もう一度、返事を聞かせてくれ」
卓巳はすべてを話してくれた。
だが、万里子はまだ真実を自分の口から伝えていない。
「その前に……私の過去を聞かなくても構わないんですか?」
――神は不公平ではない。今、辛い思いをしているなら、それは試練だ。神は、それに耐え得る者にだけ試練をお与えになる。だから、あなたは必ずそれを乗り越えて幸せになるでしょう。
「そう言われました。卓巳さんは太一郎さんとは違います! 本当に愛する人が現れたらきっと」
その言葉に卓巳は驚いた声を上げる。
「待て、待ってくれ。どうしてそうなるんだ? 僕が君を裏切るというのか!?」
「私じゃダメなんです。きっと……私じゃ」
卓巳の真実の相手は万里子ではなかったのかもしれない。そう思うと、それ以上は涙で言葉にならなかった。
そんな万里子を卓巳は慌てた様子で抱き寄せる。
「馬鹿を言うな。僕が欲しいのは君だけだ。君が不安を覚えるなら、こんなモノは切り落としたって構わない。僕は、君と共に試練を乗り越えて幸福な家庭を築いていきたい。――もう一度、返事を聞かせてくれ」
卓巳はすべてを話してくれた。
だが、万里子はまだ真実を自分の口から伝えていない。
「その前に……私の過去を聞かなくても構わないんですか?」