愛を教えて
卓巳は宗の冷やかしに表情を引き締め、口調を改めた。
「宗、それ以上言うと、君は仕事を無くすことになるぞ」
「クビですか?」
「今の私は、さっさと仕事を終わらせて彼女と朝の続きを楽しみたいと思っている。妻をベッドに連れ込むことしか考えてない社長に、会社を潰されたくなかったら真面目にやれ」
「了解しました。でも社長、奥様という辺りが健全ですね」
宗が返事をした直後、車内に微妙に空気が広がった。
「宗……まさかとは思うが、万里子の身体を値踏みしたことはないだろうな?」
「え? あ、いや……まさか、とんでもございません」
宗の背中に汗が流れる。
最初のころ、卓巳との契約が終了すれば、口説いてみてもいいかもしれない。そんなふうに考えていた。
だが今となれば、卓巳の本気がわかるだけに、死んでも口にはできないことだ。冗談抜きで、宗をクビにしかねない。
「まあいい。私の寝室の話はここまでだ。午後の資料を寄越せ」
卓巳は再び社長の顔に戻る。
ホッとする宗だった。
「宗、それ以上言うと、君は仕事を無くすことになるぞ」
「クビですか?」
「今の私は、さっさと仕事を終わらせて彼女と朝の続きを楽しみたいと思っている。妻をベッドに連れ込むことしか考えてない社長に、会社を潰されたくなかったら真面目にやれ」
「了解しました。でも社長、奥様という辺りが健全ですね」
宗が返事をした直後、車内に微妙に空気が広がった。
「宗……まさかとは思うが、万里子の身体を値踏みしたことはないだろうな?」
「え? あ、いや……まさか、とんでもございません」
宗の背中に汗が流れる。
最初のころ、卓巳との契約が終了すれば、口説いてみてもいいかもしれない。そんなふうに考えていた。
だが今となれば、卓巳の本気がわかるだけに、死んでも口にはできないことだ。冗談抜きで、宗をクビにしかねない。
「まあいい。私の寝室の話はここまでだ。午後の資料を寄越せ」
卓巳は再び社長の顔に戻る。
ホッとする宗だった。