愛を教えて
(卓巳さんって、なんて可愛らしいのかしら)
卓巳のことを思い出すだけで万里子の頬が緩む。
八つも年上の男性をつかまえて、可愛いもないだろう。
だが、万里子とふたりきりでいるときの卓巳は、本当に『駄々っ子』で『甘えん坊』に変わる。
もちろん、日常のクールな卓巳が偽物と言う訳ではない。おそらく男性が、妻や恋人だけに見せる素顔なのだろう。
万里子はそのことも嬉しかった。
思わず、自分に任せて欲しいと、胸を叩いて万里子は宣言してしまった。
しかし、よく考えたら男物の下着など触ったこともない。
かろうじて目にしたことがあるのは父の下着だ。
もちろん忍が万里子を甘やかした訳ではない。
『下着は自分で手洗いなさってくださいませ』と教えられた。
だが父のものになると、『未婚のお嬢様が手にするものではありません』と、触らせてもくれなかった。
初めて目にする卓巳の下着に、万里子は恐る恐る触れる。
父の下着とは違う形だ。女性用の下着コーナーにも同じようなデザインが置いてある。ボクサーパンツというものだ。
万里子が着用したことはなかったが、男性用もあるのね、と素直に考えた。
卓巳のことを思い出すだけで万里子の頬が緩む。
八つも年上の男性をつかまえて、可愛いもないだろう。
だが、万里子とふたりきりでいるときの卓巳は、本当に『駄々っ子』で『甘えん坊』に変わる。
もちろん、日常のクールな卓巳が偽物と言う訳ではない。おそらく男性が、妻や恋人だけに見せる素顔なのだろう。
万里子はそのことも嬉しかった。
思わず、自分に任せて欲しいと、胸を叩いて万里子は宣言してしまった。
しかし、よく考えたら男物の下着など触ったこともない。
かろうじて目にしたことがあるのは父の下着だ。
もちろん忍が万里子を甘やかした訳ではない。
『下着は自分で手洗いなさってくださいませ』と教えられた。
だが父のものになると、『未婚のお嬢様が手にするものではありません』と、触らせてもくれなかった。
初めて目にする卓巳の下着に、万里子は恐る恐る触れる。
父の下着とは違う形だ。女性用の下着コーナーにも同じようなデザインが置いてある。ボクサーパンツというものだ。
万里子が着用したことはなかったが、男性用もあるのね、と素直に考えた。