愛を教えて

(1)優しい嘘

「やっ……ぁん」

「万里子、もう少し……もう少しだけ」

「ダメ、そこは……あっやっ!」

「愛してるよ。万里子っ」

「きゃっ! もうっ。卓巳さんの馬鹿!」 


その瞬間、卓巳は万里子に蹴り飛ばされ、天蓋に吊されたカーテンの隙間から転げ落ちた。


ふたりの愛の行為は日々進展している。

万里子のほうも卓巳に教わり、彼の肌に触れるようになっていた。最初は腕や肩だけだったが、今では背中や胸辺りまで、軽くキスできるほど。

そして卓巳のほうはと言えば……。

その部分に力が漲るまではいかないが、それなりに快感を覚えるようになってきた。

そのせいで今夜は、ふいに思いついたことを実行してしまう。


卓巳はふたりの大事な部分を重ねると、腰を動かそうとした。

擬似セックスである。

しかし、それには万里子が驚いた。
当然だろう、いきなり足を大きく開かされ、その間に卓巳が入り込んで来たのだから……。


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