愛を教えて
「ご、ごめん。本当にごめん。つい、そんな気になって」


“スーパーキングサイズ”のベッドに復帰しつつ、卓巳は必死で謝る。


「酷いわ、卓巳さん! 突然こんな……私、本当にされるのかと思って」


両方の肩紐が二の腕までずり落ち、シルクのキャミソールからふたつの小山が零れ落ちていた。
ツンと尖った頂が目に入り、張りのある白い肌と共に卓巳を誘惑する。
キャミソールは裾が捲れ上がり、かろうじて万里子のおへそを隠すくらいか。
腰から下を覆うのは、白い小さなレースだけである。

飛びつきたい衝動に駆られ、卓巳の鼓動は速くなるばかりだ。


「ぼ、僕にそれができないことは……君が一番よく知ってるだろう? でも、つい、そんな形になってみたくなったんだ。そんなにいやかな?」


卓巳は必死で冷静な顔を作り、猫撫で声で万里子に問いかける。 


「いや、とかじゃありません。あなたになら……私は、何をされても構わないと思ってます。でも無言で、いきなり足を、なんて……やめてください」


万里子はよほど驚いたのだろう。指先がかすかに震えていた。
ひょっとすれば例の事件を思い出したのかもしれない。卓巳は自分の迂闊な行動に心から反省した。


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