愛を教えて
そこを見逃す宗ではない。
「いいことを教えてやろうか? 君はミスを犯してる。雪音たちの前で万里子が太一郎の部屋にいた正確な時間を言い当てたんだって? その場にいたふたりのメイドは怪文書が出回るまで雪音以外には話してなかった。三十分って時間も、君が口にしたあとで確認したそうだ。しかも、送信元はこの邸」
あずさの目が初めて泳いだ。
「時間は……適当に言っただけよ。それに、邸内に何人の人間がいると思うの? そうよ、あなただって……あの、中澤って澄ました秘書も……出入りする人間は大勢」
「残念だが無理だ」
「いいえ! だったら、どこから送られたか言ってご覧なさいよ。どうせ太一郎がやったに決まってるわっ」
あずさの声はどんどん大きくなる。
その様子に宗はクッと笑う。
「よく知ってるな。太一郎のパソコンから送られたものだって」
「だ、誰だって思いつくわ。太一郎は最低の男だもの」
宗にしてもこの程度であずさを落とせるとは思っていない。
だが、あずさはミスをしていた。
「いいことを教えてやろうか? 君はミスを犯してる。雪音たちの前で万里子が太一郎の部屋にいた正確な時間を言い当てたんだって? その場にいたふたりのメイドは怪文書が出回るまで雪音以外には話してなかった。三十分って時間も、君が口にしたあとで確認したそうだ。しかも、送信元はこの邸」
あずさの目が初めて泳いだ。
「時間は……適当に言っただけよ。それに、邸内に何人の人間がいると思うの? そうよ、あなただって……あの、中澤って澄ました秘書も……出入りする人間は大勢」
「残念だが無理だ」
「いいえ! だったら、どこから送られたか言ってご覧なさいよ。どうせ太一郎がやったに決まってるわっ」
あずさの声はどんどん大きくなる。
その様子に宗はクッと笑う。
「よく知ってるな。太一郎のパソコンから送られたものだって」
「だ、誰だって思いつくわ。太一郎は最低の男だもの」
宗にしてもこの程度であずさを落とせるとは思っていない。
だが、あずさはミスをしていた。