愛を教えて
離れの二階、ゲストルームは宗も度々利用している。無断を含めれば数十回になるだろう。
螺旋階段を上がり廊下を挟んで左右に部屋がある。
いつもは右側を使うが、今夜は左側の部屋にあずさを呼び出した。
「その前に、ちゃんと聞かせて欲しいんだけど」
「何を?」
「雪音よりあたしを選んだってことを」
チッ……あずさに耳に聞こえないほど小さな舌打ちをして、宗は立ち上がった。
そのまま無言で歩を進め、あずさの腕を掴むなり引き寄せ、唇を重ねる。
「これが返事だ」
「あなたって本当に悪い男なのね」
あずさは呆れた口調だ。宗は前屈みになり、耳のそばで囁いた。
「否定はしない。選んで欲しければ、俺に似合いの女だと証明してくれ」
唇が耳たぶに触れ、あずさの瞳に情欲の炎が浮かび上がる。だが、宗はトンッと彼女を突き放した。
あずさは軽く身震いすると気を取り直し、コーナーテーブルにセットされたパソコンを起動させる。
数分後、液晶画面に映し出されたのは例の怪文書に掲載された画像データであった。
螺旋階段を上がり廊下を挟んで左右に部屋がある。
いつもは右側を使うが、今夜は左側の部屋にあずさを呼び出した。
「その前に、ちゃんと聞かせて欲しいんだけど」
「何を?」
「雪音よりあたしを選んだってことを」
チッ……あずさに耳に聞こえないほど小さな舌打ちをして、宗は立ち上がった。
そのまま無言で歩を進め、あずさの腕を掴むなり引き寄せ、唇を重ねる。
「これが返事だ」
「あなたって本当に悪い男なのね」
あずさは呆れた口調だ。宗は前屈みになり、耳のそばで囁いた。
「否定はしない。選んで欲しければ、俺に似合いの女だと証明してくれ」
唇が耳たぶに触れ、あずさの瞳に情欲の炎が浮かび上がる。だが、宗はトンッと彼女を突き放した。
あずさは軽く身震いすると気を取り直し、コーナーテーブルにセットされたパソコンを起動させる。
数分後、液晶画面に映し出されたのは例の怪文書に掲載された画像データであった。