愛を教えて
宗は指先であずさの唇をなぞり……彼女の興奮を煽る。


「会長にはなんて言ったんだ? 退職金には多過ぎやしないか?」

「なんて……言ったと思う?」


ベルトを外し始めたあずさの指を押し止め、宗は彼女の背後に回り込んだ。

首筋に息を吹きかけ、期待させたあとで同じ場所に舌先を這わせる。同時に、右手をスカートの中に潜り込ませた。


「君はこの写真をどうすると言ったんだ?」

「た、太一郎を……あの腐った男の本性を、マスコミにぶち撒けてやると言ったのよ。何が涙の和解よ……妾の孫のために金を払うなんて……馬鹿なバアさんよ。ねえ……お願い、もう」


――カチッ。


それはスイッチの音だった。

室内は突然、煌々とした灯りに照らし出される。


「な、何? なんなの?」


あずさは声を上げ、眩しそうに額に手を翳した。

宗も目を細めてドアの辺りに視線をやる。そこに立っていたのは、メイドの和田雪音だった。


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