愛を教えて
(少し早いが仕方ないか……)
どうやら、これ以上は我慢できなかったと見える。雪音は燃えるような目であずさを睨んでいた。
「もう充分でしょう? それとも、この女とその先までやりたい訳!?」
雪音は視線をあずさに固定したまま、宗を怒鳴りつける。
「いや、とんでもない。さて、刑法二二二条脅迫罪、刑法二四九条恐喝罪の証拠は揃った。ああ、俺は強要してないぜ、質問しただけだ」
宗はあずさから離れながら、乱れたシャツの裾をズボンに押し込みベルトを締め直した。
そのままベッドサイドに近づくとライトに手を伸ばす。宗が持ち上げたのはボールペン二本分くらいの黒い物体――ICレコーダーだった。
彼は呆気に取られるあずさの前を横切り、ソファに置かれたブリーフケースから書類を取り出した。
「悪いことは言わない。これにサインするんだ。簡単に言えば恐喝罪や名誉毀損罪を認め、二度とこの家に関わらないという誓約書だ。――会長が沖倉弁護士ではなく、俺に任せてくれたことに感謝するんだな。沖倉先生なら確実に刑務所送りにされるぜ」
あずさはようやく立ち直ったのか、真っ赤になって叫び始めた。
どうやら、これ以上は我慢できなかったと見える。雪音は燃えるような目であずさを睨んでいた。
「もう充分でしょう? それとも、この女とその先までやりたい訳!?」
雪音は視線をあずさに固定したまま、宗を怒鳴りつける。
「いや、とんでもない。さて、刑法二二二条脅迫罪、刑法二四九条恐喝罪の証拠は揃った。ああ、俺は強要してないぜ、質問しただけだ」
宗はあずさから離れながら、乱れたシャツの裾をズボンに押し込みベルトを締め直した。
そのままベッドサイドに近づくとライトに手を伸ばす。宗が持ち上げたのはボールペン二本分くらいの黒い物体――ICレコーダーだった。
彼は呆気に取られるあずさの前を横切り、ソファに置かれたブリーフケースから書類を取り出した。
「悪いことは言わない。これにサインするんだ。簡単に言えば恐喝罪や名誉毀損罪を認め、二度とこの家に関わらないという誓約書だ。――会長が沖倉弁護士ではなく、俺に任せてくれたことに感謝するんだな。沖倉先生なら確実に刑務所送りにされるぜ」
あずさはようやく立ち直ったのか、真っ赤になって叫び始めた。