愛を教えて
万里子のほうは、卓巳を貶された気がして、珍しく気色ばんだ。
『卓巳さんは責任感が強いんです。私を守ってくださるおつもりなんです。それに、何度も言うようですが、素人の私がお役に立てることなど』
『では、書類の不備はあらかじめ見逃したものだ……と言ったらどうする? しかもそれは次々と出てくる。タクミは様々な手を打つだろうが、この国において、私が外国人に負けることはあり得ないんだよ。わかるかな?』
万里子にはライカーの言葉の意味が半分もわからない。
決して英語がわからない訳ではなく、頭の中で訳した内容が理解できなかった。
『サー・スティーブン、それは……私には始めから契約の意思がなかった、と聞こえるのですが』
『とんでもない。認可に伴う責任は我が社にかかってくる。充分に調査した上で、自国に有利な条件で契約するつもりだった。だが今は、たとえ不利になっても私の希望が叶えば契約する』
万里子には益々わからなくなる。
『卓巳さんは責任感が強いんです。私を守ってくださるおつもりなんです。それに、何度も言うようですが、素人の私がお役に立てることなど』
『では、書類の不備はあらかじめ見逃したものだ……と言ったらどうする? しかもそれは次々と出てくる。タクミは様々な手を打つだろうが、この国において、私が外国人に負けることはあり得ないんだよ。わかるかな?』
万里子にはライカーの言葉の意味が半分もわからない。
決して英語がわからない訳ではなく、頭の中で訳した内容が理解できなかった。
『サー・スティーブン、それは……私には始めから契約の意思がなかった、と聞こえるのですが』
『とんでもない。認可に伴う責任は我が社にかかってくる。充分に調査した上で、自国に有利な条件で契約するつもりだった。だが今は、たとえ不利になっても私の希望が叶えば契約する』
万里子には益々わからなくなる。