愛を教えて
怒りが治まらないのが尚子だ。役員からも外れ、太一郎は藤原グループに入らないという。
「あなたは……あなた方はあたくしをなんだと思ってるの!? こんなこと、こんなこと絶対に認めませんっ!」
閉口する太一郎と敦の横から、宗が口を挟んだ。
「尚子様、年末に使用人の永瀬が辞めたのをご存じですね」
「それがなんだというのっ!? あたくしには……」
「彼女はあなたから金品を受け取り、仕事上偶然知り得た情報を流しました。万里子様の一件です」
尚子はICレコーダーから流れるあずさの声に青ざめる。そして目の前に、あずさが署名捺印した誓約書を差し出された。
「あなたは彼女に命じ、社長に対する嫌がらせをしていますね」
「違うわ! あ、あたくし聞いただけですもの。それを話しただけなのよっ! 全部本当のことじゃないの」
「尚子様、名誉毀損は真実であっても罪に問われることをご存じですか? 邸内に広めた時点で、あなたは永瀬の共犯です」
宗の言葉に尚子はうなだれ、敦に付き添われて会社をあとにした。
「あなたは……あなた方はあたくしをなんだと思ってるの!? こんなこと、こんなこと絶対に認めませんっ!」
閉口する太一郎と敦の横から、宗が口を挟んだ。
「尚子様、年末に使用人の永瀬が辞めたのをご存じですね」
「それがなんだというのっ!? あたくしには……」
「彼女はあなたから金品を受け取り、仕事上偶然知り得た情報を流しました。万里子様の一件です」
尚子はICレコーダーから流れるあずさの声に青ざめる。そして目の前に、あずさが署名捺印した誓約書を差し出された。
「あなたは彼女に命じ、社長に対する嫌がらせをしていますね」
「違うわ! あ、あたくし聞いただけですもの。それを話しただけなのよっ! 全部本当のことじゃないの」
「尚子様、名誉毀損は真実であっても罪に問われることをご存じですか? 邸内に広めた時点で、あなたは永瀬の共犯です」
宗の言葉に尚子はうなだれ、敦に付き添われて会社をあとにした。