愛を教えて

(7)三人のデート

「なあ、万里子……もう降参だ。勘弁してくれ」

「ダーメ! 私の気の済むまでって約束でしょう」


万里子はニッコリ笑って卓巳の顔を覗き込む。


「もう無理だよ。僕にこの手の経験が少ないことは知ってるだろう?」

「だ・か・ら、今のうちにたっぷり経験しておかなくっちゃ!」


卓巳は大きく息を吐きながら、万里子に提案した。


「じゃ、もう一回だけ頑張るから、それで許してくれるかい?」

「もうっ! 卓巳さんたら、まだ十回くらいしかしてないのよ」

「だから言ってるだろう? 他の方法なら必ず君を喜ばせることができるんだ」

「……ずるはダメよ」


口を尖らす万里子に卓巳は両手を上げた。

そして、大きくうなずきながら、小さな声で呟く。


「はいはい。……騎士というより下僕だな」

「何か言った?」

「いや。可愛い奥さんの仰せのままに」

「よろしい!」


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