夢宵奇譚~飛んでハッスル~
「オレの部屋2階ね」

「あ、ああ」

 促されるまま、階段を上がる。

「あれ? なんか俺、勉強教えることになってんの?」

「ちっ、バレたか」

 小さく聞こえた舌打ちに目を据わらせた。

 室内に入ると、予想と違ってすっきりした内装に多少の驚きを見せる。

「なんだよ」

「いや……ポスター一枚も無いんだなと」

「ああ~別に興味ないし」

 だからそれが珍しいんだって、と呆れながら教科書を出していく少年を見やった。
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