ガルドラ龍神伝―闇龍編―
二人はヨゼフの様子を見ながら、北へ北へと向かっていく。
ヨゼフは喘息のような咳を出し、苦しそうに息をしている。
おまけにこの島は北に進めば進むほど、吹雪と霰が混ざったような妙な天候に見舞われる。
それはまるで、この龍達が公国に行くのを妨げているかのようにも見える。
それにもめげず、リタとナンシーはひたすらに公国への道を進む。
その途中、彼女達は公国の兵士と思わしき男性に声をかけられた。
「おーい、君達。この公国に何の用だ? ここからは、ルース大公殿下の許可なしには、通れないぞ」
「私は砂龍族のリタ。今日は氷龍神ガトラの神殿に行くため、どうしてもこの公国を通らなければならないのです。
ですが、仲間が風邪で倒れてしまい、どこか泊まれる場所を探しているところです」
リタは必死になって、兵士に今回起きたことを訴えた。
ヨゼフは、ますます咳き込むばかりだった。
その様子を見て、兵士はリタの話が事実だと理解したのか、公国まで案内すると言った。
リタは兵士に対して、静かに頭を下げる。
二人が彼について歩いていると、そこにはフィブラスの城よりも少し高く立派な城が建っているのが見える。
「着きました。ここがポラテルド城です」
「ねぇ。ちょっと思ったんだけど、せめて大公様に挨拶していかない?」
「私もそう思ってた。ヨゼフが不安だけど、このまま挨拶しないのもどうかと思うし」
「ヨゼフ、立てる?」
ナンシーは、そっとヨゼフを降ろす。
「大丈夫。これくらい、どうってことないさ」
ヨゼフは強がってみたものの、うまく立てなかった。
というよりはむしろ、ふらふらとしていて物に掴まらないと危ない状態だった。
ナンシーは引き続きヨゼフをおんぶして、城の中まで運ぶ。
ポラテルド城は氷の島にあるだけあって、壁は火龍族の火の魔力をもってしても溶けにくい程の厚い氷の素材でできている。
だがその反面、城内はつるつるとしていて滑りやすい。
ヨゼフは喘息のような咳を出し、苦しそうに息をしている。
おまけにこの島は北に進めば進むほど、吹雪と霰が混ざったような妙な天候に見舞われる。
それはまるで、この龍達が公国に行くのを妨げているかのようにも見える。
それにもめげず、リタとナンシーはひたすらに公国への道を進む。
その途中、彼女達は公国の兵士と思わしき男性に声をかけられた。
「おーい、君達。この公国に何の用だ? ここからは、ルース大公殿下の許可なしには、通れないぞ」
「私は砂龍族のリタ。今日は氷龍神ガトラの神殿に行くため、どうしてもこの公国を通らなければならないのです。
ですが、仲間が風邪で倒れてしまい、どこか泊まれる場所を探しているところです」
リタは必死になって、兵士に今回起きたことを訴えた。
ヨゼフは、ますます咳き込むばかりだった。
その様子を見て、兵士はリタの話が事実だと理解したのか、公国まで案内すると言った。
リタは兵士に対して、静かに頭を下げる。
二人が彼について歩いていると、そこにはフィブラスの城よりも少し高く立派な城が建っているのが見える。
「着きました。ここがポラテルド城です」
「ねぇ。ちょっと思ったんだけど、せめて大公様に挨拶していかない?」
「私もそう思ってた。ヨゼフが不安だけど、このまま挨拶しないのもどうかと思うし」
「ヨゼフ、立てる?」
ナンシーは、そっとヨゼフを降ろす。
「大丈夫。これくらい、どうってことないさ」
ヨゼフは強がってみたものの、うまく立てなかった。
というよりはむしろ、ふらふらとしていて物に掴まらないと危ない状態だった。
ナンシーは引き続きヨゼフをおんぶして、城の中まで運ぶ。
ポラテルド城は氷の島にあるだけあって、壁は火龍族の火の魔力をもってしても溶けにくい程の厚い氷の素材でできている。
だがその反面、城内はつるつるとしていて滑りやすい。