ガルドラ龍神伝―闇龍編―
2
「お疲れ様、ラルファロ諸島に到着だよ」
リタは、船長の声で目を覚ました。
つまり、彼女は残り三十キロで諸島に到着するという時に、うとうとと寝ていたのだ。
「爆睡してたよ。全く、あんたは寝坊助なんだから」
「まあまあ、ヨゼフ。リタだって、奴隷として何日も何日も≪闇の大蜘蛛≫と戦う生活を送ってたんだから、疲れて爆睡するのも無理ないよ」
「疲れが溜まってるのは、僕達だって一緒だろう?」
「まあ、それはそうだけど……。“特にリタの場合は、疲労困憊と言っても過言ではない程、疲れてる”ってことよ」
ヨゼフとナンシーは、まるで他人事のように話している。
船旅の時間はほとんど寝ていたというのに、リタはまだ猛烈な眠気と、日々の戦闘による疲労に襲われている。
「リタ、今日はゆっくり休みなよ」
ヨゼフは苦笑いして言った。
それを無視して、リタは何度も何度も目を擦る。
彼女は格安ホテルに入ってから、就寝するまでの過程を、ナンシーに質問した。
「ナンシー、今日はどうするの?」
「えーと……。まず、部屋の鍵を借りるでしょ? で、その部屋のことなんだけど……」
ナンシーは、フロントで鍵を借りる所まで説明しかけて、急に口を閉じる。
「どうしたの、ナンシー?」
「あ……あそこに、何かいる」
リタ達は、海や砂浜で遊んでいる魔族達がいる方向を見た。
そこには妙な配色の鮫が、他の宿泊客を一人残らず食べようとする姿があった。
「何だろう? あの変な配色の鮫は」
「キアの下僕の魔道師が、操っているの?」
「まさか! あいつの下僕の中に、鮫や海豚を操れる≪水系魔道師≫がいるとも思えないよ」
「とにかく、砂浜まで行って、大人達の話を聞こう」
「そうね。ここでうだうだ言ってても、何も始まらない」
「流石ナンシー、良いこと言うね」
リタは、ヨゼフやナンシーと一緒にホテルの外に出る。
すると、ナンシーが鮫の上に乗っている男性を見つけた。
「お、お前は、キアの下僕か?」
「そうさ。俺は、偉大なるキア様の下僕――水系魔道師、リゲリオンだ」
リゲリオンという水系魔道師が闇のように黒く、妙な配色の鮫を操り、砂浜にいる大人達や子供達を襲う。
「お疲れ様、ラルファロ諸島に到着だよ」
リタは、船長の声で目を覚ました。
つまり、彼女は残り三十キロで諸島に到着するという時に、うとうとと寝ていたのだ。
「爆睡してたよ。全く、あんたは寝坊助なんだから」
「まあまあ、ヨゼフ。リタだって、奴隷として何日も何日も≪闇の大蜘蛛≫と戦う生活を送ってたんだから、疲れて爆睡するのも無理ないよ」
「疲れが溜まってるのは、僕達だって一緒だろう?」
「まあ、それはそうだけど……。“特にリタの場合は、疲労困憊と言っても過言ではない程、疲れてる”ってことよ」
ヨゼフとナンシーは、まるで他人事のように話している。
船旅の時間はほとんど寝ていたというのに、リタはまだ猛烈な眠気と、日々の戦闘による疲労に襲われている。
「リタ、今日はゆっくり休みなよ」
ヨゼフは苦笑いして言った。
それを無視して、リタは何度も何度も目を擦る。
彼女は格安ホテルに入ってから、就寝するまでの過程を、ナンシーに質問した。
「ナンシー、今日はどうするの?」
「えーと……。まず、部屋の鍵を借りるでしょ? で、その部屋のことなんだけど……」
ナンシーは、フロントで鍵を借りる所まで説明しかけて、急に口を閉じる。
「どうしたの、ナンシー?」
「あ……あそこに、何かいる」
リタ達は、海や砂浜で遊んでいる魔族達がいる方向を見た。
そこには妙な配色の鮫が、他の宿泊客を一人残らず食べようとする姿があった。
「何だろう? あの変な配色の鮫は」
「キアの下僕の魔道師が、操っているの?」
「まさか! あいつの下僕の中に、鮫や海豚を操れる≪水系魔道師≫がいるとも思えないよ」
「とにかく、砂浜まで行って、大人達の話を聞こう」
「そうね。ここでうだうだ言ってても、何も始まらない」
「流石ナンシー、良いこと言うね」
リタは、ヨゼフやナンシーと一緒にホテルの外に出る。
すると、ナンシーが鮫の上に乗っている男性を見つけた。
「お、お前は、キアの下僕か?」
「そうさ。俺は、偉大なるキア様の下僕――水系魔道師、リゲリオンだ」
リゲリオンという水系魔道師が闇のように黒く、妙な配色の鮫を操り、砂浜にいる大人達や子供達を襲う。