ガルドラ龍神伝―闇龍編―
その環境にはじめて触れたせいか、三人はよろよろとしながら歩く。


そこへ、この街の住人らしき茶色の体の龍の少女が、リタ達の前に現れた。


その少女は、リタ達の様子を見て皮肉を言う。


「君達、どうやら岩のように凸凹したこの足場に、慣れてないみたいだね」


そう言うと少女は、くすくすと笑う。


それに対して、ヨゼフは嫌そうな顔をした。


「いちいち嫌味な女だな。


君は誰なんだよ?


初対面でそんなことを言うのは、失礼じゃないか」


「失礼なのはどっち?


相手に名前を訪ねる時は、まず自分が名乗るのが礼儀だよ」


ヨゼフの発言で少女は機嫌を悪くしたのか、膨れっ面をして言った。


「悪かったな。


僕は水龍族のヨゼフ。


これで納得しただろう?」


少女は、名前をリアスと言った。


彼女はピンク色の鬣を風に靡かせ、微笑んでいる。


生意気なことを言うけれど、どこか憎めない所がある、とヨゼフは思った。


三人がリアスと話していると、向こう側からもう一人、茶色の体をした龍の男性が現れた。


赤い線が引かれている緑色の服を着たその男性は、四十代後半のように見える。


だが、彼がこう見えても二十歳だと言った時、リタ達は目を丸くした。


彼は穏やかに笑い、自己紹介をする。


「ようこそ、ギルネスへ。


私はルッカス。


この街に住む一族の族長だよ」


ルッカスという名前の族長は、半ばリタ達を見下しているような口調で言った。


リアスは、族長と自分の関係について、三人に話した。


彼女の話によれば、彼女自身はルッカス族長に仕える身らしい。


リアスの話を聴きながら、三人は納得している。
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