ガルドラ龍神伝―闇龍編―
4
足場が極めて悪いなか、リタ達は無事に神殿から戻ってきた。
そこには、リアスの安否を気遣っていたかのような表情で、ルッカス族長が待っていた。
「ただいま戻りました、族長」
いつもと違ってリアスは、族長に対して礼儀正しく振る舞う。
「みんな無事で、何よりだ。
ところで、シトラル女神は、何か≪伝説の真実≫を教えてくれたか?」
ルッカス族長は、まるで岩龍女神の信者のように言った。
それに関して、四人は首を横に振る。
「でも、リアスは多少は変わったと思います。
今後は、岩龍戦士として、この街を守っていくとも言っていますし」
リタは、リアスの成長ぶりを証明した。
だがそれには、ルッカス族長は驚かなかった。
おそらく彼は、リアスが岩龍戦士として目覚めることや、杖を持ってこの魔界を守る役目を背負うことに気づいていたのだろう。
族長は、家にリタ達を入れ、話し合いをしたいと言った。
おそらく族長の言う話し合いとは、今回の神殿での冒険について纏めるという意味だろう、とリタは思った。
「君達の今回の収穫を教えてくれたまえ」
族長は急に、族長らしい口調で改まったように言う。
リタ達は、戸惑った。
(今回の収穫をと言われても……。
私達が今回得たものなんて、一つもないし)
リタは、一つだけ思い出したことがある。
あの時、ヨゼフが解いた≪古代ガルドラ文字≫の謎。
あれがあの神殿に纏わるものだとすれば、今回の収穫は大きいに違いない。
だが、ルッカス族長が本当に求めている≪今回の収穫≫とは、きっと≪伝説の真実≫のことだろう。
そのようなことを考え、リタは敢えて、「いいえ、残念ながらありませんでした」と言った。
足場が極めて悪いなか、リタ達は無事に神殿から戻ってきた。
そこには、リアスの安否を気遣っていたかのような表情で、ルッカス族長が待っていた。
「ただいま戻りました、族長」
いつもと違ってリアスは、族長に対して礼儀正しく振る舞う。
「みんな無事で、何よりだ。
ところで、シトラル女神は、何か≪伝説の真実≫を教えてくれたか?」
ルッカス族長は、まるで岩龍女神の信者のように言った。
それに関して、四人は首を横に振る。
「でも、リアスは多少は変わったと思います。
今後は、岩龍戦士として、この街を守っていくとも言っていますし」
リタは、リアスの成長ぶりを証明した。
だがそれには、ルッカス族長は驚かなかった。
おそらく彼は、リアスが岩龍戦士として目覚めることや、杖を持ってこの魔界を守る役目を背負うことに気づいていたのだろう。
族長は、家にリタ達を入れ、話し合いをしたいと言った。
おそらく族長の言う話し合いとは、今回の神殿での冒険について纏めるという意味だろう、とリタは思った。
「君達の今回の収穫を教えてくれたまえ」
族長は急に、族長らしい口調で改まったように言う。
リタ達は、戸惑った。
(今回の収穫をと言われても……。
私達が今回得たものなんて、一つもないし)
リタは、一つだけ思い出したことがある。
あの時、ヨゼフが解いた≪古代ガルドラ文字≫の謎。
あれがあの神殿に纏わるものだとすれば、今回の収穫は大きいに違いない。
だが、ルッカス族長が本当に求めている≪今回の収穫≫とは、きっと≪伝説の真実≫のことだろう。
そのようなことを考え、リタは敢えて、「いいえ、残念ながらありませんでした」と言った。