ガルドラ龍神伝―闇龍編―
ビオラは、自分の腰にロープを結びながら言った。


それに対してリタは、自分もあんな距離は飛べない、と言った。


ヨゼフの合図で、四人はロープに掴まり、一気に大穴を渡る。


「凄い」


ビオラにとっては、それしか言いようがなかった。


リタは彼女にも、ヨゼフの生い立ちを簡単に説明した。


「彼のお父さんは、冒険家だったんだ。


でも、魔道族の連中に殺されてしまったらしくてね……。


このことは、ヨゼフには内緒にしておいてね」


リタは、ビオラに注意を促した。


爽やかな風の発生源。


それは、大きな風龍女神の石像だった。


四人は石像の前で、祈りを捧げる。


すると、石像がある場所で、地響きが起きた。


四人は避難した。


その激しい地響きと共に石像は左に動き、地下へと続く階段が現れる。


「もしかして、侵入者はこの階段を使って、祭壇に行ったのかしら?」


「ビオラ、まだそう決めつけるのは早いよ。とりあえず、降りよう」


リタの意見には、皆が賛成した。


四人は、階段を降りる。
< 140 / 259 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop