ガルドラ龍神伝―闇龍編―
フィールは長々と、真実を語った。


リタ達は真剣に、話を聴いていた。


フィールの話はリタにとって、≪前に読んだ物語≫を彷彿させた。


その物語こそ、先程のフィールの話通りである、とリタは思った。


だが、それこそが真実であるとは限らない。


調べてみなければ、真偽の程はわからない。


それはリタだけでなく、他の三人も同じことを考えていた。


身の毛も藻立つような恐ろしい話を一通り語ると、風系魔道師は神殿から去っていく。


その態度はヨゼフにとって、腹立たしいものだった。


(何だよ、あいつ。嵐のように現れて、嵐のように去って行ったぞ)


彼は、フィールを殴りたいとも思った。
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