ガルドラ龍神伝―闇龍編―
更には未だにその二人の風龍の消息は、絶たれたままだとのことである。


(そうだったの……。


でも、自分が何者だったかがわかったから、あたしはそれだけでも良いわ)


あたしの本当のパパとママは、きっとどこかで、あたしを見守ってくれているはず。


そのことを思うと、ビオラは安心感を持てた。


エアロビ族長は面会の最後に、もう一言付け加えた。


「でも、あの二人にビオラを返すことはしません。


なぜなら、例え血が繋がっていなくてもビオラは私の娘で、次期族長ですから」


エアロビ族長の言葉に、ビオラは泣いている。


「だってさ。良かったね、ビオラ。


僕は正直、大丈夫かな、と思ったけど、大丈夫そうだね」


ヨゼフは、ほっと一息ついた。


リタ達は部屋から出ようとしたが、すぐに族長に呼び止められる。


「今から行っても、日が暮れるだけですよ。


それに、お腹を空かせていては、冒険も進みませんからね」


族長にそう言われた時、リタ達のお腹が空いた。


三人の腹の虫の音が聞こえ、ビオラはくすくすと笑う。


「じゃあ、今日はここに泊まるよ。それで良いね?」


「ええ、もちろん」


今日乗る予定だった船を明日の朝の分に変更し、三人はビオラの家に泊まることにした。


夕食をご馳走してもらい、寝室も用意してもらって、三人は無事に一夜を沸かすことができた。
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