ガルドラ龍神伝―闇龍編―
リタは地図を、ショルダーバッグにしまった。
三人はファナンディス島で、船から降りた。
ここはギルネスのような複雑な地形もなく、緑豊かな島である。
ふと、リタは俯いた。
(あれから、メアリーはどうしてるのかな?
もしかしたら、キアに捕まったのかも……)
そう思うと、気弱になってくる。
これではいけない、とリタは自分に言い聞かせる。
マライテスを目指して西へ西へと歩いていると、三人の視線の先に華龍族の魔族らしき少年が手で合図しているのが見えた。
リタ達は、その方向に走っていく。
「案内ありがとう」
マライテスの出入り口で息を切らしていたが、リタは少年に礼を言う。
「ようこそ、マライテスへ。
お礼なんて、良いですよ。
この町に来た魔族を案内するのが、僕の役目ですから」
赤い服を着ていて、いかにも華龍族の魔族だとわかるような蔓を巻いた角や緑色の全身。
それに、彼はどこだか頼りなさそうに見える。
(なんだか、能天気な感じのする目つきだな……)
リタは見た目で、少年の性格を判断した。
リタにじろじろと見られている感じがしたのか、少年は怪訝そうな顔をして、自己紹介した。
「僕は華龍族のニアロス。
時折こうして、他の種族の魔族を案内しています」
ニアロスという少年は、丁寧に言った。
「ではまず、族長の屋敷にご案内します」
そう言ってニアロスは、三人を華龍族の族長の屋敷に案内した。
四人の目の前には、極めて質素な雰囲気が漂うデザインの屋敷があった。
緑に囲まれ、薔薇やカトレアの花がたくさん咲いている。
だが、その一方で、どこか季節感を感じさせない部分もあると、ナンシーは思った。
(フィブラスの砂龍城の至る部屋に仙人掌が置いてあるのと同じように、あらゆる種類の花を家に飾るのが、華龍族の風習なのかしら?)
三人はファナンディス島で、船から降りた。
ここはギルネスのような複雑な地形もなく、緑豊かな島である。
ふと、リタは俯いた。
(あれから、メアリーはどうしてるのかな?
もしかしたら、キアに捕まったのかも……)
そう思うと、気弱になってくる。
これではいけない、とリタは自分に言い聞かせる。
マライテスを目指して西へ西へと歩いていると、三人の視線の先に華龍族の魔族らしき少年が手で合図しているのが見えた。
リタ達は、その方向に走っていく。
「案内ありがとう」
マライテスの出入り口で息を切らしていたが、リタは少年に礼を言う。
「ようこそ、マライテスへ。
お礼なんて、良いですよ。
この町に来た魔族を案内するのが、僕の役目ですから」
赤い服を着ていて、いかにも華龍族の魔族だとわかるような蔓を巻いた角や緑色の全身。
それに、彼はどこだか頼りなさそうに見える。
(なんだか、能天気な感じのする目つきだな……)
リタは見た目で、少年の性格を判断した。
リタにじろじろと見られている感じがしたのか、少年は怪訝そうな顔をして、自己紹介した。
「僕は華龍族のニアロス。
時折こうして、他の種族の魔族を案内しています」
ニアロスという少年は、丁寧に言った。
「ではまず、族長の屋敷にご案内します」
そう言ってニアロスは、三人を華龍族の族長の屋敷に案内した。
四人の目の前には、極めて質素な雰囲気が漂うデザインの屋敷があった。
緑に囲まれ、薔薇やカトレアの花がたくさん咲いている。
だが、その一方で、どこか季節感を感じさせない部分もあると、ナンシーは思った。
(フィブラスの砂龍城の至る部屋に仙人掌が置いてあるのと同じように、あらゆる種類の花を家に飾るのが、華龍族の風習なのかしら?)