ガルドラ龍神伝―闇龍編―
その綺麗さに、リタ達はただ驚かされるばかりだった。
あまりの魅力に気を取られている三人を見て、カリア族長は咳払いをする。
三人は慌てて、族長の方を向く。
「この町に来て早々で申し訳ないけど、みんなにお願いがあるの」
カリア族長は風龍族の女族長のような口振りで、四人に頼み事をする。
カリア族長の依頼。――
それは、この町からずっと東に行った所にある≪華龍女神セルランの神殿≫に行き、どのように荒れた場所でも綺麗にできるという≪幻の華サートアンヌ≫という物を採ってきてほしいということだった。
「なぜ、その華が必要なのですか?」
ナンシーが族長に訪ねた。
「この町のどこかに、≪マラの花園≫という所があるの。
九年前まで、可愛らしい花がたくさん咲いてたのに、先日になって全部枯れたように花園が荒廃してしまって……。
だから、一刻も早くサートアンヌを手に入れたいの」
「そういうことなら、了解しました」
四人はカリア族長の依頼を、快く引き受けた。
華龍女神セルランの神殿の場所をカリア族長から聞き出し、リタ達は≪茨の聖域≫という所に向かう。
そこは名前の通り、一年中茨が絡みついているだけで、聖域とは到底言えないような場所だ。
「ニアロス、この辺りのことについて教えてくれる?
華龍女神セルランの祭壇まで行くには、君の助けが必要なんだ」
リタの頼み事に対し、ニアロスは無言で頷く。
ニアロスの案内だけはしっかりしている、と三人は思った。
それは、前にも何回か訪れたことがある場所のように、彼が事細やかに説明してくれるからだ。
(なんだ、能天気そうなのは、見た目だけか。
ジオも日頃から、『魔族を見た目だけで判断してはいけません』って、口癖のように言ってた。
私も気をつけよう)
あまりの魅力に気を取られている三人を見て、カリア族長は咳払いをする。
三人は慌てて、族長の方を向く。
「この町に来て早々で申し訳ないけど、みんなにお願いがあるの」
カリア族長は風龍族の女族長のような口振りで、四人に頼み事をする。
カリア族長の依頼。――
それは、この町からずっと東に行った所にある≪華龍女神セルランの神殿≫に行き、どのように荒れた場所でも綺麗にできるという≪幻の華サートアンヌ≫という物を採ってきてほしいということだった。
「なぜ、その華が必要なのですか?」
ナンシーが族長に訪ねた。
「この町のどこかに、≪マラの花園≫という所があるの。
九年前まで、可愛らしい花がたくさん咲いてたのに、先日になって全部枯れたように花園が荒廃してしまって……。
だから、一刻も早くサートアンヌを手に入れたいの」
「そういうことなら、了解しました」
四人はカリア族長の依頼を、快く引き受けた。
華龍女神セルランの神殿の場所をカリア族長から聞き出し、リタ達は≪茨の聖域≫という所に向かう。
そこは名前の通り、一年中茨が絡みついているだけで、聖域とは到底言えないような場所だ。
「ニアロス、この辺りのことについて教えてくれる?
華龍女神セルランの祭壇まで行くには、君の助けが必要なんだ」
リタの頼み事に対し、ニアロスは無言で頷く。
ニアロスの案内だけはしっかりしている、と三人は思った。
それは、前にも何回か訪れたことがある場所のように、彼が事細やかに説明してくれるからだ。
(なんだ、能天気そうなのは、見た目だけか。
ジオも日頃から、『魔族を見た目だけで判断してはいけません』って、口癖のように言ってた。
私も気をつけよう)