ガルドラ龍神伝―闇龍編―
前と違って、あいつの脚を掴む物がない。


でもどこかに、大蜘蛛を倒す突破口があるはず。


リタは突破口を求め、辺りを見回す。


すると、天井に粘り気のある物がついていることがわかった。


リタはわからないままに、爪の手の甲の部分を天井に翳す。


すると、爪の光が天井で屈折し、彼女が立っている位置とは反対側に光が流れ込んだ。


これを利用して、リタは大蜘蛛とは反対側に回る。


光は大蜘蛛の背中に当たり、体が燃えた。


奇声に近い大蜘蛛の悲鳴が、リタにとっては苦痛に聞こえる。


大蜘蛛が死骸もなく燃え尽きると、神殿の奥に続く扉がひとりでに開いた。


怪奇現象みたいだな、と思いながらリタは扉を潜った。
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