ガルドラ龍神伝―闇龍編―
3
四人は難なくそれぞれの仕掛けを攻略し、合流を果たした。
難なく合流できたとはいえ、四人は疲れている様子だった。
「ヨゼフ、ナンシー、ニアロス……。
みんな、大丈夫かい?」
「ああ、僕はなんとか……」
ヨゼフは血に塗れた左腕を押さえながら、リタに返事をする。
彼の腕の怪我を見て、リタは自分のハンカチを患部に巻く。
「これで、止血できたはずだよ」
リタが薬も塗らずに直接巻きつけたので、ヨゼフは痛みを堪えるのに精一杯だった。
四人は、もう一つの扉も潜った。
そこには入り口と同じように、草原のような空間が広がっている。
四人はしばらく、この空間を眺めていた。
その時、少女の笑い声が聞こえた。
「道案内ご苦労様。おかげで、安全に華龍女神セルランの祭壇付近まで来れたわ」
少女は嫌味っぽく言うと、ピンクのマントを脱ぎ捨て、戦う態勢に入る。
彼女は、どことなく葉系魔道師ミントに似た容姿をしている。
あまりにも似すぎて、ミントが着替えをしたとしか思えなかった。
だが、よく見るとカチューシャの種類が違うということに、リタ達は気づいた。
「ミントそっくりだな……」
ヨゼフは呆気に取られた。
「ミントを知ってるのね?
あたしは、華系魔道師ウィスパー。
ミントの幼馴染みよ」
そう言うと、ウィスパーという少女は、今度はリタの方を向く。
「あなたね。フィブラスの砂龍王女というのは」
ウィスパーはリタを見下すように、彼女に向かって指差す。
それを見てヨゼフが、ウィスパーに槍先を向ける。
「ウィスパー、お前のような礼儀知らずは、僕が槍で突いてやる」
ヨゼフは、目を見開いて言った。
水龍戦士としてのプライドやリタを殺そうとしている者への怒りが、彼の槍にまで伝わっている。
「あたしに逆らうの? 臨むところよ」
ウィスパーは余裕綽々な態度で、三人の龍戦士を挑発する。
ニアロスは、部屋の壁の近くに隠れることにした。
(ニアロスって、能天気なんだか臆病なんだかわからないな。
そういえばあいつ、どうやって魔物と戦ったんだろう?)
まさかとは思いながら、ヨゼフは右手だけで槍を軽く振って威嚇した。
今、華系魔道師との戦いが始まった。
四人は難なくそれぞれの仕掛けを攻略し、合流を果たした。
難なく合流できたとはいえ、四人は疲れている様子だった。
「ヨゼフ、ナンシー、ニアロス……。
みんな、大丈夫かい?」
「ああ、僕はなんとか……」
ヨゼフは血に塗れた左腕を押さえながら、リタに返事をする。
彼の腕の怪我を見て、リタは自分のハンカチを患部に巻く。
「これで、止血できたはずだよ」
リタが薬も塗らずに直接巻きつけたので、ヨゼフは痛みを堪えるのに精一杯だった。
四人は、もう一つの扉も潜った。
そこには入り口と同じように、草原のような空間が広がっている。
四人はしばらく、この空間を眺めていた。
その時、少女の笑い声が聞こえた。
「道案内ご苦労様。おかげで、安全に華龍女神セルランの祭壇付近まで来れたわ」
少女は嫌味っぽく言うと、ピンクのマントを脱ぎ捨て、戦う態勢に入る。
彼女は、どことなく葉系魔道師ミントに似た容姿をしている。
あまりにも似すぎて、ミントが着替えをしたとしか思えなかった。
だが、よく見るとカチューシャの種類が違うということに、リタ達は気づいた。
「ミントそっくりだな……」
ヨゼフは呆気に取られた。
「ミントを知ってるのね?
あたしは、華系魔道師ウィスパー。
ミントの幼馴染みよ」
そう言うと、ウィスパーという少女は、今度はリタの方を向く。
「あなたね。フィブラスの砂龍王女というのは」
ウィスパーはリタを見下すように、彼女に向かって指差す。
それを見てヨゼフが、ウィスパーに槍先を向ける。
「ウィスパー、お前のような礼儀知らずは、僕が槍で突いてやる」
ヨゼフは、目を見開いて言った。
水龍戦士としてのプライドやリタを殺そうとしている者への怒りが、彼の槍にまで伝わっている。
「あたしに逆らうの? 臨むところよ」
ウィスパーは余裕綽々な態度で、三人の龍戦士を挑発する。
ニアロスは、部屋の壁の近くに隠れることにした。
(ニアロスって、能天気なんだか臆病なんだかわからないな。
そういえばあいつ、どうやって魔物と戦ったんだろう?)
まさかとは思いながら、ヨゼフは右手だけで槍を軽く振って威嚇した。
今、華系魔道師との戦いが始まった。