ガルドラ龍神伝―闇龍編―
5


神殿を守った功績が華龍女神セルランに認められ、ニアロスは新たな華龍戦士として目覚めた。


聖域と町との境目で、カリア族長が待っていた。


「ただいま戻りました、カリア族長」


「あなたにしてはやけに真面目ね、ニアロス。まあ、良いわ。


サートアンヌは、手に入ったの?」


カリア族長の質問に対し、ニアロスはポケットから紅色の華を取り出し、彼女に見せる。


「上出来よ。早速、花園に行きましょう」


カリア族長の案内で、四人は彼女の家の外れにある≪マラの花園≫と呼ばれる場所に行った。


到着すると早速、族長はサートアンヌの華を地面に植えた。


すると、荒廃した花園が、一瞬にして元の綺麗な花園に戻っていく。


それは、華龍女神セルランの力が、その華に宿っているかのようだ。


「ありがとう、リタ姫。


あなた達のおかげで、この町は救われたわ。


また、いつでも遊びに来てね」


カリア族長は、茶色の鬣を風に靡かせながら、リタ達に礼を言った。


ニアロスとカリア族長に手を振ると、三人は南に向かって走っていった。
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