ガルドラ龍神伝―闇龍編―
ナンシーは今まで自分達がやってきたことについて、少し誤解があったことに気がついた。
リタを頼むといっても、それは身分を隠して旅をしろということではない。
あれはリタの友人として、彼女のことを理解してあげてほしいということだったのね。
ナンシーはそう思うと、顔を赤らめる。
自分達が勘違いしていたことを、恥じているのだ。
その様子を見て、ヨゼフが訪ねる。
「どうしたの? 顔が真っ赤だよ」
「え? あ、何でもないわ。心配かけてごめんね」
「なら良いけど」
自分から訪ねてきたヨゼフだが、彼はそっぽを向く。
まるで、はなからナンシーのことなど、心配していなかったかのように。
(何よ、ヨゼフったら。まあ、いつものことだから仕方ないわね)
ナンシーは、いつものヨゼフの態度を見ているせいか、嫌気がさしてきた。
だが、友とはこういうものなのだ、とナンシーは悟った。
内心では気遣っていても、大して気にしていないように振る舞う。
こうすることで、自分の個性を見せる。
この仕種が珍しくないと、ナンシーは思った。
リタは船の甲板から、ファナンディス島がだんだんと遠くなっていくのを、目の当りにした。
一方で、彼女の中には、ようやく龍戦士捜しの旅が終わりに近づいてきているという安心感もあった。
(父上、元気にしてるかな?
無理して、腰を痛めてなければ良いけど。
父上は毎日、腰痛を気にしているってツーリアン大臣が言ってた。
国王がそれで良いのかな?)
父王の情けなさを感じながら、リタは甲板から見える景色を眺めている。
三人が次の島のことを考えているうちに、日が暮れた。
暗黒の龍がガルドラを支配しているかのように、夜はとても暗かった。
グロッディオス島の到着に備え、三人は夕食を軽く済ませ、早めに就寝する。
リタを頼むといっても、それは身分を隠して旅をしろということではない。
あれはリタの友人として、彼女のことを理解してあげてほしいということだったのね。
ナンシーはそう思うと、顔を赤らめる。
自分達が勘違いしていたことを、恥じているのだ。
その様子を見て、ヨゼフが訪ねる。
「どうしたの? 顔が真っ赤だよ」
「え? あ、何でもないわ。心配かけてごめんね」
「なら良いけど」
自分から訪ねてきたヨゼフだが、彼はそっぽを向く。
まるで、はなからナンシーのことなど、心配していなかったかのように。
(何よ、ヨゼフったら。まあ、いつものことだから仕方ないわね)
ナンシーは、いつものヨゼフの態度を見ているせいか、嫌気がさしてきた。
だが、友とはこういうものなのだ、とナンシーは悟った。
内心では気遣っていても、大して気にしていないように振る舞う。
こうすることで、自分の個性を見せる。
この仕種が珍しくないと、ナンシーは思った。
リタは船の甲板から、ファナンディス島がだんだんと遠くなっていくのを、目の当りにした。
一方で、彼女の中には、ようやく龍戦士捜しの旅が終わりに近づいてきているという安心感もあった。
(父上、元気にしてるかな?
無理して、腰を痛めてなければ良いけど。
父上は毎日、腰痛を気にしているってツーリアン大臣が言ってた。
国王がそれで良いのかな?)
父王の情けなさを感じながら、リタは甲板から見える景色を眺めている。
三人が次の島のことを考えているうちに、日が暮れた。
暗黒の龍がガルドラを支配しているかのように、夜はとても暗かった。
グロッディオス島の到着に備え、三人は夕食を軽く済ませ、早めに就寝する。