ガルドラ龍神伝―闇龍編―
はなぜ、残りの龍戦士の顔が、この紙に貼られているのだろうか?
そして、魔道族はどうやって、龍戦士全員のことを知ったのだろう?
その他にも数々の疑問が浮かんだが、キリがないので彼女達はこの件については、後回しにすることにした。
「私は砂龍族のリタ。
広告を見せてくれて、ありがとう。
おかげで、いち早く仲間を捜せそうだよ」
「僕は水龍族のヨゼフ。
僕達は十属性の龍戦士と、龍神達の関係性を探るために旅をしてるんだ」
「私は火龍族のナンシー。
この街には、≪雷龍戦士≫と呼ばれる魔族がいると予想して来たんだけど、心当たりはあるかしら?」
三人は、口々に自己紹介をした。
ペレデイスは少し戸惑い気味だったが、ナンシーの質問に答えた。
その答えは、極めてでたらめなものだった。
広告に貼られている写真と俺の顔が、同じものかもしれない、と彼は言った。
その答えを聞いた三人は、ペレデイスはお調子者と判断した。
その時、また向こう側からいかにも雷の属性を司る魔族とわかるような服装の男性が現れた。
彼の見た目は、三十歳前後と思われる。
無神経にもヨゼフが彼の年齢について訪ねると、彼は先日で五十歳になったと明かした。
(五十歳だなんて、信じられない……。
とても若々しく見えるわ。
まるで、ランディー陛下みたい)
そう思っていたが、ナンシーは失礼にあたると思い、このことは伏せておくことにした。
それは、リタやヨゼフも同じだった。
「自己紹介が遅れた。
私はネテリウス。
この一族の族長だ」
紫とビリジアンに分かれたチャイナ服状の薄着に身を包んでいる男性は、静かに一礼した。
ネテリウスという族長は、先程ペレデイスが割った丸太を見て、大きな溜め息をつく。
「ペレデイス、いつも注意しているはずだ。
木を切ってはいかんと……。
なのに、お前はまた、こんなことを」
ネテリウス族長は、酷くがっかりした口調で言った。
(空手の腕は凄いけど、周囲にある木を切ったら、確かにまずいね)
リタは先程のネテリウス族長の言葉に同感し、頷いた。
ペレデイスが顔を赤らめると、族長はまた、大きな溜め息をつく。
「私は砂龍族のリタ。この街に来た目的は――」
リタがゲルデナに来た理由を説明しようとしたが、ネテリウス族長はそれを遮る。
「わかっている。
ここの神殿の龍神の存在を、確かめに来たのだろう?
ただ、あそこの周辺には今、赤い雲が神を封じるように神殿を覆っている。
君達なら大丈夫だと思うが、ペレデイスも連れて行ってやってくれ」
そして、魔道族はどうやって、龍戦士全員のことを知ったのだろう?
その他にも数々の疑問が浮かんだが、キリがないので彼女達はこの件については、後回しにすることにした。
「私は砂龍族のリタ。
広告を見せてくれて、ありがとう。
おかげで、いち早く仲間を捜せそうだよ」
「僕は水龍族のヨゼフ。
僕達は十属性の龍戦士と、龍神達の関係性を探るために旅をしてるんだ」
「私は火龍族のナンシー。
この街には、≪雷龍戦士≫と呼ばれる魔族がいると予想して来たんだけど、心当たりはあるかしら?」
三人は、口々に自己紹介をした。
ペレデイスは少し戸惑い気味だったが、ナンシーの質問に答えた。
その答えは、極めてでたらめなものだった。
広告に貼られている写真と俺の顔が、同じものかもしれない、と彼は言った。
その答えを聞いた三人は、ペレデイスはお調子者と判断した。
その時、また向こう側からいかにも雷の属性を司る魔族とわかるような服装の男性が現れた。
彼の見た目は、三十歳前後と思われる。
無神経にもヨゼフが彼の年齢について訪ねると、彼は先日で五十歳になったと明かした。
(五十歳だなんて、信じられない……。
とても若々しく見えるわ。
まるで、ランディー陛下みたい)
そう思っていたが、ナンシーは失礼にあたると思い、このことは伏せておくことにした。
それは、リタやヨゼフも同じだった。
「自己紹介が遅れた。
私はネテリウス。
この一族の族長だ」
紫とビリジアンに分かれたチャイナ服状の薄着に身を包んでいる男性は、静かに一礼した。
ネテリウスという族長は、先程ペレデイスが割った丸太を見て、大きな溜め息をつく。
「ペレデイス、いつも注意しているはずだ。
木を切ってはいかんと……。
なのに、お前はまた、こんなことを」
ネテリウス族長は、酷くがっかりした口調で言った。
(空手の腕は凄いけど、周囲にある木を切ったら、確かにまずいね)
リタは先程のネテリウス族長の言葉に同感し、頷いた。
ペレデイスが顔を赤らめると、族長はまた、大きな溜め息をつく。
「私は砂龍族のリタ。この街に来た目的は――」
リタがゲルデナに来た理由を説明しようとしたが、ネテリウス族長はそれを遮る。
「わかっている。
ここの神殿の龍神の存在を、確かめに来たのだろう?
ただ、あそこの周辺には今、赤い雲が神を封じるように神殿を覆っている。
君達なら大丈夫だと思うが、ペレデイスも連れて行ってやってくれ」