ガルドラ龍神伝―闇龍編―
「ほう、なかなか威勢の良い女だ。


だが、お前の友人が、いつまでもつかな？」


召喚獣の言葉に少々動揺しているものの、リタは迷いを振りきり、召喚獣に突進した。


そして、鋭く尖った爪の先が、召喚獣の腹を突き刺した。


気味の悪いうなり声と、彼の体から漏れ出てくる血液が、召喚獣の死の雰囲気を醸し出す。


リタが爪を引き抜いた後も、その血液が爪をつたって流れている。


それを見るだけで、リタは気分が悪くなった。


死を迎えたのか、召喚獣はジュー、という音を立てて溶けていった。


「気味悪い死に方をするんだね。


でも、これも私に歯向かった罰さ」


リタは、はなから勝つとわかっていたかのように言った。


武器についた血液を綺麗に拭き取り、それをしまう。


（急ごう、ヨゼフ達が心配だ）


リタは、頭の中ではヨゼフ達の無事を確信していても、心の中では彼らのことが心配になるのだった。


彼女は急いで、貼り紙がしてある扉を開け、神殿の奥まで走っていく。
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