ガルドラ龍神伝―闇龍編―
4


暗闇が続くなか、リタとその仲間達は手分けして、神殿内を探るように進む。


途中で仲間に化けた召喚獣がリタを襲うこともあったが、彼女はそれに迷いもせず、彼を倒すことに成功した。


その時の残酷さを覚えながらも、彼女はひたすらに神殿の奥を目指して走る。


しばらく走ると、リタはドーム状になっていて広々とした部屋に出た。


(きっと、ここがこの神殿の中央なんだ)


リタは部屋の雰囲気から、ここがどういう所なのかを想像する。


別の出入り口から、ヨゼフとペレデイスが来た。


二人ともリタを見て、笑顔になった。


「リタ……。


良かった、無事で何よりだよ」


ヨゼフは涙を流しながら言った。


その時の彼の体は、なぜか黒焦げになっていた。


「ヨゼフ、その黒焦げの体……。


何があったの?」


リタは心配になって、ヨゼフに訪ねる。


それをヨゼフが案じて、「心配してくれてありがとう。僕は大丈夫」と言った。


続いて彼は、黒焦げになった理由をリタに話す。


「この神殿に入って五メートル走った時、僕はペレデイスの後ろ姿を見かけたから話しかけてみた。


でも、彼があまりにもおかしな言動や仕種をしてて、次々と質問してやったのさ。


そしたら、急に『俺の正体を見破ったな』とか訳のわからないことを言って、召喚獣みたいな奴と戦って……」


「で、その途中で感電して、黒焦げになったの?」


リタが聞いたことに対し、ヨゼフは静かに頷く。


その時、リタの後を追うように、ナンシーが来た。


「もう、災難だったわ……。


まさか、召喚獣がリタに化けて出てくるなんて……って、まだいたの?」


合流して早々、ナンシーはリタを先程戦った召喚獣だと思い込み、斧を左手に構える。
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