ガルドラ龍神伝―闇龍編―
それをヨゼフが、必死に止めた。
「待てよ、ナンシー。
こっちのリタは、本物だよ」
「え? そうなの?」
ヨゼフが言ったことに、ナンシーは驚いた。
彼女は斧をしまい、そっとリタの全身を覗くように見る。
そして、先程ヨゼフが言ったことが本当だと確信したように、ふむふむと頷く。
「良かった……。
勘違いしてごめんね」
ナンシーは謝った。
「いや、大丈夫だよ。
私もさっき、ヨゼフを勝手に召喚獣だと思い込んじゃったし」
「……」
リタの発言に、ヨゼフは嫌気がさしてしまった。
召喚獣と戦ったのは、私だけじゃないんだ。
リタは、仲間達が話しているのを聞き、そう感じた。
「合流したは良いけど、どうする?
ここも、出入り口が幾つかありそうだよ」
ペレデイスが、鬣の乱れを直しながら言った。
その言葉を否定するようにリタは首を横に振り、正面のドアを指差す。
その方向には、カーテンのようにひらひらとしている物がついている出入り口があった。
「きっと、あの向こうに雷龍神ハンスの祭壇があるのね」
ナンシーは、期待に胸を膨らませて言った。
リタ達は今度は四人で団結し、手前の出入り口に入った。
召喚獣か魔道族の気配を感じているかのように、三人はそれぞれの武器を構える。
ペレデイスは急に気弱になった。
足ががくがくと震え、歯軋りを始めた。
リタは怖がらなくても良いさ、と言いたげに、ペレデイスの歯軋りを制止した。
(そう、彼が怖がる必要なんてない。
戦うのは、私達だけ。
彼が新たな雷龍戦士というのなら、話は別だけど)
リタは、自分に言い聞かせた。
部屋に入ると、その手前には巨大な雷龍神像があった。
その石像の真下には、黄色の水晶玉が置いてある。
「待てよ、ナンシー。
こっちのリタは、本物だよ」
「え? そうなの?」
ヨゼフが言ったことに、ナンシーは驚いた。
彼女は斧をしまい、そっとリタの全身を覗くように見る。
そして、先程ヨゼフが言ったことが本当だと確信したように、ふむふむと頷く。
「良かった……。
勘違いしてごめんね」
ナンシーは謝った。
「いや、大丈夫だよ。
私もさっき、ヨゼフを勝手に召喚獣だと思い込んじゃったし」
「……」
リタの発言に、ヨゼフは嫌気がさしてしまった。
召喚獣と戦ったのは、私だけじゃないんだ。
リタは、仲間達が話しているのを聞き、そう感じた。
「合流したは良いけど、どうする?
ここも、出入り口が幾つかありそうだよ」
ペレデイスが、鬣の乱れを直しながら言った。
その言葉を否定するようにリタは首を横に振り、正面のドアを指差す。
その方向には、カーテンのようにひらひらとしている物がついている出入り口があった。
「きっと、あの向こうに雷龍神ハンスの祭壇があるのね」
ナンシーは、期待に胸を膨らませて言った。
リタ達は今度は四人で団結し、手前の出入り口に入った。
召喚獣か魔道族の気配を感じているかのように、三人はそれぞれの武器を構える。
ペレデイスは急に気弱になった。
足ががくがくと震え、歯軋りを始めた。
リタは怖がらなくても良いさ、と言いたげに、ペレデイスの歯軋りを制止した。
(そう、彼が怖がる必要なんてない。
戦うのは、私達だけ。
彼が新たな雷龍戦士というのなら、話は別だけど)
リタは、自分に言い聞かせた。
部屋に入ると、その手前には巨大な雷龍神像があった。
その石像の真下には、黄色の水晶玉が置いてある。