ガルドラ龍神伝―闇龍編―
『君達は頑張って、ここまで来てくれた。


俺もペレデイスに、未来とこの鎖鎌を託すよ。


この魔界を、アルエスから救ってくれ』


雷龍神は半ば偉そうに、でも龍神らしい口調で、ペレデイスに武器を託す。


龍神像の顎の部分から、鎖鎌が宙に浮くように、ペレデイスの手元に渡った。


それは、稲妻をデザインしたように刃がぎざぎざになっていて、紫色の鎖が三メートルもある長い武器だった。


(俺が、新たな雷龍戦士……)


ペレデイスは雷龍神から選ばれたことを、まだ不思議に思っていた。


『ペレデイス、俺はこれからも、君達を見守っていくよ。


他の龍神達と一緒にね。


それと、リタ姫……』


名前を呼ばれ、リタは緊張している。


その緊張のせいか、彼女は先程までの疲労感を忘れてしまった。


雷龍神は続ける。


『残る龍戦士は後一人。


メルディーンに住む≪金龍族≫という一族の戦士のみ。


つまり、龍戦士が全員揃えば、闇龍と戦う準備が整うという訳だ。


健闘を祈るよ』


そう言うと、雷龍神ハンスは、水晶玉からリタ達に語りかけるのを止めた。
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