ガルドラ龍神伝―闇龍編―
第十四話:最後の龍戦士
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雷龍族の民の里であるゲルデナの街の神殿で、ペレデイスは新たな雷龍戦士として目覚めた。


最後の龍戦士を捜して、リタ達はペレデイスと共に、メルディーンに向かう。


まだ完全に認めているというわけではないが、両親は族長同様、ペレデイスが短期間の旅に出ることを許した。


ゲルデナから北に三十メートル歩いた先に、メルディーンという町はある。


メルディーン――


そこは金龍族の民が住み、鉱業が盛んな鉱山付近の町。


その町の鉱業はフィブラス、ポラテルド、レザンドニウムの三ヶ国を始めとして、ガルドラ全体にまで発展している。


また、金属の少ない水の都アヌテラに金を無償で提供している町でもある。


町が見えるほど近くなった頃、召喚獣のようなものに襲われている少女が一人――いや、二人いた。


一人は拳を堅く握り、もう一人は召喚獣に対して震えていた。


「大変だ!」


ペレデイスの慌てた声を合図にして、リタ達はその少女達の所まで走っていく。


「ス、スーザン、本当に大丈夫なの?」


スーザンと呼ばれた少女は、先程から長い時間戦っているせいか、疲れを見せている。


「大丈夫よ。


私は、そんなに柔な女じゃないわ」


一見穏やかそうに見える橙色の目で、スーザンはまっすぐに召喚獣を捉える。


「なかなか、威勢の良い女金龍だ。


だが、どっちにしろ、あの金塊は頂くからな」


召喚獣は鋭い牙を、スーザンと彼女の側にいる少女に向ける。


それにも負けず、彼女は言い返した。


「冗談じゃないわ!


≪聖なる金塊≫は、魔道族の物じゃない。


あれは、≪金龍神レグルス≫への捧げ物よ!」


そう言い放つとスーザンは、召喚獣に向かって突進した。


だが、その快進撃も虚しく、スーザンは彼に弾かれるように、地面に仰向けになって倒れてしまった。


「まだよ……。


≪聖なる金塊≫を、キアに渡してたまるものですか」


瀕死の状態になっても、スーザンは強い気持ちを捨てない。


召喚獣の爪から、砂属性の魔力が沸き立つように出ている。


彼はスーザンに留目を刺そうと、彼女に近づく。
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