ガルドラ龍神伝―闇龍編―
その頃、王女のリタ姫は、自分の部屋で読書をしていた。
それにも関わらず、女性近衛兵は強行突破するようにして、姫の部屋に入った。
「セルセイン! びっくりした……。私は別に部屋をロックしてないんだから、入り方を弁えてよ」
「申し訳ございません、リタ殿下。ランディー陛下からご命令がありました。あなたを安全な場所に連れて行きます」
女性近衛兵セルセインの言葉で、リタは動揺した。
彼女にとっては、父王がこのような行動を起こすこと自体、有り得ないと思っていたからだ。
「父上が……。一体、何が起こってるの?」
リタの質問に対し、セルセインは簡単に答えた。
「レザンドニウム領国の領主が、この城に向かっているのです」
(魔道族が……。でも、私達龍魔族と魔道族って、今まで共存して暮らしてたんじゃなかったの?)
セルセインの背に乗りながら、リタは疑問を浮かべていた。
彼女達が外に出た時は、既に手遅れだった。
レザンドニウム領国のキア領主が、数人の魔道師を率いて、誰かが城の外に来るのを待っていたのだ。
彼らはセルセインに、
「フィブラスの近衛兵よ。お前の背に乗っている幼女をこちらに渡せば、襲撃をやめて≪レザンドニウム≫に戻ろう」
と、脅迫めいた言葉を浴びせる。
セルセインも負けじと、領主に言い返す。
「誰があなた方のために、大切な魔族を渡すものですか。リタ様は将来、この国の女王になられるお方。私の命を犠牲にしても、守ってみせますわ」
セルセインは、なんとかして姫と一緒に逃げ延びようと、キアに攻撃魔法を仕掛けた。
が、遠くから女性の声がした。
それにも関わらず、女性近衛兵は強行突破するようにして、姫の部屋に入った。
「セルセイン! びっくりした……。私は別に部屋をロックしてないんだから、入り方を弁えてよ」
「申し訳ございません、リタ殿下。ランディー陛下からご命令がありました。あなたを安全な場所に連れて行きます」
女性近衛兵セルセインの言葉で、リタは動揺した。
彼女にとっては、父王がこのような行動を起こすこと自体、有り得ないと思っていたからだ。
「父上が……。一体、何が起こってるの?」
リタの質問に対し、セルセインは簡単に答えた。
「レザンドニウム領国の領主が、この城に向かっているのです」
(魔道族が……。でも、私達龍魔族と魔道族って、今まで共存して暮らしてたんじゃなかったの?)
セルセインの背に乗りながら、リタは疑問を浮かべていた。
彼女達が外に出た時は、既に手遅れだった。
レザンドニウム領国のキア領主が、数人の魔道師を率いて、誰かが城の外に来るのを待っていたのだ。
彼らはセルセインに、
「フィブラスの近衛兵よ。お前の背に乗っている幼女をこちらに渡せば、襲撃をやめて≪レザンドニウム≫に戻ろう」
と、脅迫めいた言葉を浴びせる。
セルセインも負けじと、領主に言い返す。
「誰があなた方のために、大切な魔族を渡すものですか。リタ様は将来、この国の女王になられるお方。私の命を犠牲にしても、守ってみせますわ」
セルセインは、なんとかして姫と一緒に逃げ延びようと、キアに攻撃魔法を仕掛けた。
が、遠くから女性の声がした。