ガルドラ龍神伝―闇龍編―
2
グロッディオス島から船で水の都アヌテラまで行き、そこで船を乗り換え、リタ達はエクストロン島にある港街クライアスに着いた。
「ここからずっと南に行けば、フィブラス砂漠だよ」
リタは、はじめてフィブラスを訪れる龍戦士達に、地図を見せて案内する。
十人がこれから王国に行こうというところへ、誰かが飛んでくる影が見えた。
その影は、だんだんとリタ達に近づいて来て、はっきりと姿を現す。
その魔族の影の正体は、フィブラス王国の女性近衛兵、セルセインだった。
十人は慌てて、彼女が降りた所に駆け寄る。
「セルセインじゃないか。
どうしたんだ?」
「殿下、大変です。
ランディー陛下が、魔道族の毒矢に刺され、猛毒を盛られました」
その報告を受けた時、リタ、ヨゼフ、ナンシーは目を丸くした。
(父上が……。なんで、こんなことに)
リタの目には涙が溢れ、握り拳が堅くなる。
それを、ナンシーが制止した。
「リタ、気持ちはわかるけど、今はランディー陛下を元気にするために、やるべきことがあるはずよ」
「ナンシーの言う通りだ、リタ。
解毒する方法が、必ずあるはず。
それを探ることが大事だよ」
突然の知らせを受けて落ち込むリタを、ヨゼフとナンシーは励ます。
十人はセルセインの案内を頼りに、フィブラス王国に向かう。
途中にある流砂や砂地獄がリタ達の行く手を阻んだが、それをも越えて、ひらすらに城を目指して歩く。
「暑いわね。流石は砂漠だわ。
耐砂属性マントを身につけてても、暑さは変わらない。
それどころか、ますます暑くなった感じ」
スーザンは、独り言のように言った。
ヒアやビオラも暑さを必死に堪えながら、友人の父親が待つ砂龍城までついてきている。
玉のような汗が次々と流れるほどに暑いフィブラス砂漠を乗り越え、リタは他九人の龍戦士を連れて城に帰ってきた。
帰還早々、リタは大慌てで、父王が寝込んでいる部屋まで走っていった。
(リタ……。やっぱり父娘ね。
片方が病で倒れると、心配で仕方なくなる。
こうしてお互いを支え合って、生きていくのね)
グロッディオス島から船で水の都アヌテラまで行き、そこで船を乗り換え、リタ達はエクストロン島にある港街クライアスに着いた。
「ここからずっと南に行けば、フィブラス砂漠だよ」
リタは、はじめてフィブラスを訪れる龍戦士達に、地図を見せて案内する。
十人がこれから王国に行こうというところへ、誰かが飛んでくる影が見えた。
その影は、だんだんとリタ達に近づいて来て、はっきりと姿を現す。
その魔族の影の正体は、フィブラス王国の女性近衛兵、セルセインだった。
十人は慌てて、彼女が降りた所に駆け寄る。
「セルセインじゃないか。
どうしたんだ?」
「殿下、大変です。
ランディー陛下が、魔道族の毒矢に刺され、猛毒を盛られました」
その報告を受けた時、リタ、ヨゼフ、ナンシーは目を丸くした。
(父上が……。なんで、こんなことに)
リタの目には涙が溢れ、握り拳が堅くなる。
それを、ナンシーが制止した。
「リタ、気持ちはわかるけど、今はランディー陛下を元気にするために、やるべきことがあるはずよ」
「ナンシーの言う通りだ、リタ。
解毒する方法が、必ずあるはず。
それを探ることが大事だよ」
突然の知らせを受けて落ち込むリタを、ヨゼフとナンシーは励ます。
十人はセルセインの案内を頼りに、フィブラス王国に向かう。
途中にある流砂や砂地獄がリタ達の行く手を阻んだが、それをも越えて、ひらすらに城を目指して歩く。
「暑いわね。流石は砂漠だわ。
耐砂属性マントを身につけてても、暑さは変わらない。
それどころか、ますます暑くなった感じ」
スーザンは、独り言のように言った。
ヒアやビオラも暑さを必死に堪えながら、友人の父親が待つ砂龍城までついてきている。
玉のような汗が次々と流れるほどに暑いフィブラス砂漠を乗り越え、リタは他九人の龍戦士を連れて城に帰ってきた。
帰還早々、リタは大慌てで、父王が寝込んでいる部屋まで走っていった。
(リタ……。やっぱり父娘ね。
片方が病で倒れると、心配で仕方なくなる。
こうしてお互いを支え合って、生きていくのね)