ガルドラ龍神伝―闇龍編―
第十六話:龍戦士隊結成
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龍戦士捜しという長旅を終え、リタは仲間を九人連れて故郷に帰還した。
途中のトラブルをも乗り越え、ランディー王は一命を取り留めた。
とても砂漠とは思えないほど寒い夜の空気を肌で感じながら、ヨゼフ達は満月の明かりの下で、心地良く眠ることができた。
だが、夕食を抜いたために、腹の虫の音が絶えない。
ヨゼフの鬣を焼くように日が照り始めた頃、彼は目を覚ました。
(昨日は慌ただしかったな。
夕食抜きだったから、腹が減ってきたよ)
ヨゼフは空腹を気にしながら、ベッドの近くにある時計を見やる。
時計の針は、六時半を指している。
(まだ、こんなに早いのか……)
そう思いながらヨゼフは、同じ部屋で寝ている八人を無視して、着替えを済ませた。
「こんなにぶかぶかだったかな?
はじめてこの服を買った時は、そんな感じに見えなかったけど」
独り言を言いながら彼は、黄色い服の皺を伸ばし、櫛とヘアスプレーを持って鏡の前に立つ。
その時、鏡に映った自分の鬣がいつもより乱れているのではないか、と彼は思った。
ヘアスプレーをかけ、櫛で赤紫色の鬣をとこうとするが、なかなか櫛が通らず、彼は苛々していた。
「くそ、なんで通らないんだよ!」
その独り言を聞いていたのか、ナンシーが目を覚ました。
「もう、うるさいわよ、ヨゼフ。
朝から、何をそんなに騒いでるのよ?」
ナンシーは、不機嫌そうに言った。
櫛の先が乱れた鬣に絡みつき、なかなか上手にとけない。
その様子を見て、ナンシーは控えめに笑う。
「ヨゼフ、あなたはもしかして、櫛の使い方もわからなかったの?」
ナンシーに嫌味を言われ、ヨゼフは言い返す。
「仕方ないだろう?
今までリタにやってもらってたんだし。
それに、そうでなくても僕の鬣は長いから、一人で結うのは大変なんだよ」
「全く……。
ちょっと貸して?」
私がやってあげる、と言ってナンシーは、ヨゼフの腰まで伸びている鬣を櫛でといていく。
彼女は手際良く鬣を整え、緑色の紐を巻いていき、あっという間にいつものまっすぐな一本になった。
ナンシーは手鏡をヨゼフの後頭部に向け、彼に見せる。
「どうかしら?」
ナンシーは、半ば自慢げに言った。
龍戦士捜しという長旅を終え、リタは仲間を九人連れて故郷に帰還した。
途中のトラブルをも乗り越え、ランディー王は一命を取り留めた。
とても砂漠とは思えないほど寒い夜の空気を肌で感じながら、ヨゼフ達は満月の明かりの下で、心地良く眠ることができた。
だが、夕食を抜いたために、腹の虫の音が絶えない。
ヨゼフの鬣を焼くように日が照り始めた頃、彼は目を覚ました。
(昨日は慌ただしかったな。
夕食抜きだったから、腹が減ってきたよ)
ヨゼフは空腹を気にしながら、ベッドの近くにある時計を見やる。
時計の針は、六時半を指している。
(まだ、こんなに早いのか……)
そう思いながらヨゼフは、同じ部屋で寝ている八人を無視して、着替えを済ませた。
「こんなにぶかぶかだったかな?
はじめてこの服を買った時は、そんな感じに見えなかったけど」
独り言を言いながら彼は、黄色い服の皺を伸ばし、櫛とヘアスプレーを持って鏡の前に立つ。
その時、鏡に映った自分の鬣がいつもより乱れているのではないか、と彼は思った。
ヘアスプレーをかけ、櫛で赤紫色の鬣をとこうとするが、なかなか櫛が通らず、彼は苛々していた。
「くそ、なんで通らないんだよ!」
その独り言を聞いていたのか、ナンシーが目を覚ました。
「もう、うるさいわよ、ヨゼフ。
朝から、何をそんなに騒いでるのよ?」
ナンシーは、不機嫌そうに言った。
櫛の先が乱れた鬣に絡みつき、なかなか上手にとけない。
その様子を見て、ナンシーは控えめに笑う。
「ヨゼフ、あなたはもしかして、櫛の使い方もわからなかったの?」
ナンシーに嫌味を言われ、ヨゼフは言い返す。
「仕方ないだろう?
今までリタにやってもらってたんだし。
それに、そうでなくても僕の鬣は長いから、一人で結うのは大変なんだよ」
「全く……。
ちょっと貸して?」
私がやってあげる、と言ってナンシーは、ヨゼフの腰まで伸びている鬣を櫛でといていく。
彼女は手際良く鬣を整え、緑色の紐を巻いていき、あっという間にいつものまっすぐな一本になった。
ナンシーは手鏡をヨゼフの後頭部に向け、彼に見せる。
「どうかしら?」
ナンシーは、半ば自慢げに言った。