ガルドラ龍神伝―闇龍編―
2


ヨゼフがペンダントとして水龍族の女族長からもらった≪雫のサファイア≫という宝石が輝きを見せたことから、ナンシーは自分達の一族に語り継がれている話を切り出す。


彼女は覚えている限りのことを、極力わかりやすいように話す。


≪闇龍のねぐらの話≫――


私がこの話をしても、みんなはわかってくれるかしら?


ナンシーは既に語り始めているが、九人の理解に不安を覚えた。


≪闇龍のねぐらの話≫というのは、こういう話である。


『三つの種族の代表として、闇龍と戦った戦士達の関係者達は、闇龍の力が完全に戻らないように、肉体だけを水色の砂漠の遥か南にある≪ダブの遺跡≫の更に真上の闇の空間、≪アウン・ファレル≫に封印した。


その時に初代砂龍王ラドダンは、砂龍族、水龍族、火龍族の秘宝である宝石を、遺跡の鍵とすることに決めた。


そしてこれが、他の種族の民に悪用されないよう、砂龍王ラドダン、水龍族族長ファーニア、火龍族族長フレアリスは、それらの宝石を自分達及び自分達の後継者で守っていくことを誓った。


それは、今日まで続いている――』
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