ガルドラ龍神伝―闇龍編―
第二十話:闇龍アルエス
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三色の宝石と十柱の龍神達、そして闇龍により亡き者にされた魔族達の導きにより、リタ、ヨゼフ、ナンシーは、闇の空間≪アウン・ファレル≫の端に着いた。
「とうとう、私達はここまで来たんだね」
「ああ。ここまで長かったよね。
でも、闇龍を倒せば、ガルドラは元の平和な魔界に戻るはず」
「そうね。きっとそれが、砂龍神デュラックの本当の願いよ」
三人は闇のように暗い要塞のような場所を、ただひたすらに走っていく。
今度は封印するのではなく、闇龍を倒す。
魂も肉体も、闇龍に関する物なら全て取り除かなければならない。
その想いを胸に、三人は闇龍の肉体がある場所に向かう。
きっとそこに、あの魂もいるはず。
ナンシーの言う通り、命をかけてでもアルエスを倒さなければならない。
真の勝利。――
それは邪悪な存在を抹消し、二度と蘇らないようにすること。
そう思うと、リタは胸が痛くなるのだった。
それは、ヨゼフやナンシーも同じだった。
要塞の中は山のように高く、険しいものだった。
ダブの遺跡のように何段も何段も階段を上り、幾つもある梯を登り、リタ達は黒雲がかかった区域に入る。
その区域は、レザンドニウム領国の魔道城の屋上にかかっていた黒雲と同じく、闇に染まっている。
視界が遮られ、懐中電灯なしでは到底進めないほどに、辺りが暗くなってきた。
三人は懐中電灯を片手に、階段を上りきった所にある回廊をゆっくりと進む。
その時、三人の頭を、誰かの声が過った。
『よく来たなフィブラスの砂龍王子――いや、砂龍王女よ。
俺に逆らい、十人の戦士を集めた報いを受けるが良い』
身の毛もよだつような低い声が、三人の頭を痛めるように聞こえてくる。
だが、彼女達はそれにも全く動じず、闇龍の魂及びその肉体が待つ部屋へと進む。
光が降りた場所から北西に七メートル進むとそこには、薄紫色の縁取りがしてある大きな扉があった。
三色の宝石と十柱の龍神達、そして闇龍により亡き者にされた魔族達の導きにより、リタ、ヨゼフ、ナンシーは、闇の空間≪アウン・ファレル≫の端に着いた。
「とうとう、私達はここまで来たんだね」
「ああ。ここまで長かったよね。
でも、闇龍を倒せば、ガルドラは元の平和な魔界に戻るはず」
「そうね。きっとそれが、砂龍神デュラックの本当の願いよ」
三人は闇のように暗い要塞のような場所を、ただひたすらに走っていく。
今度は封印するのではなく、闇龍を倒す。
魂も肉体も、闇龍に関する物なら全て取り除かなければならない。
その想いを胸に、三人は闇龍の肉体がある場所に向かう。
きっとそこに、あの魂もいるはず。
ナンシーの言う通り、命をかけてでもアルエスを倒さなければならない。
真の勝利。――
それは邪悪な存在を抹消し、二度と蘇らないようにすること。
そう思うと、リタは胸が痛くなるのだった。
それは、ヨゼフやナンシーも同じだった。
要塞の中は山のように高く、険しいものだった。
ダブの遺跡のように何段も何段も階段を上り、幾つもある梯を登り、リタ達は黒雲がかかった区域に入る。
その区域は、レザンドニウム領国の魔道城の屋上にかかっていた黒雲と同じく、闇に染まっている。
視界が遮られ、懐中電灯なしでは到底進めないほどに、辺りが暗くなってきた。
三人は懐中電灯を片手に、階段を上りきった所にある回廊をゆっくりと進む。
その時、三人の頭を、誰かの声が過った。
『よく来たなフィブラスの砂龍王子――いや、砂龍王女よ。
俺に逆らい、十人の戦士を集めた報いを受けるが良い』
身の毛もよだつような低い声が、三人の頭を痛めるように聞こえてくる。
だが、彼女達はそれにも全く動じず、闇龍の魂及びその肉体が待つ部屋へと進む。
光が降りた場所から北西に七メートル進むとそこには、薄紫色の縁取りがしてある大きな扉があった。