ガルドラ龍神伝―闇龍編―
3
闇の要塞と魔界の狭間で、熱く、激しい攻防が繰り広げられている。
その戦いを強いているのは、太古の昔から語り継がれている邪悪な存在、闇龍アルエス。
その背後で、灼熱の炎が天井付近にまで燃え広がっている。
だが、その炎は並みのものではなく、また、色も青紫色をしていた。
それはまるで、アルエス自身が持つ憎しみと嘆きという二つの感情が炎となって、交叉しているかのように見える。
その熱さの中で、リタ達は生きて還れるかどうかはわからない戦いを、余儀なくされている。
ヨゼフやナンシーも、リタを援護しながら必死に槍や斧を駆使して、闇龍の角や腹を狙って攻撃している。
だが、アルエスの圧倒的な闇の力の前で、彼らの武器が落とされ、魔力はかき消されていく。
『先程の意気込みはどうした?
俺はまだ、全力を尽くしていないぞ』
テレパシーで言っているかのような声が、リタ達の頭を痛める。
リタの右腕からは、微量の血が流れている。
それでも三人は歯を食い縛り、必死に痛みを堪えている。
「こんなの、まだほんの序の口さ。
私達の実力は、こんなもんじゃない」
リタは起き上がりながら言った。
それを聞いて呆れたように、アルエスは言う。
『諦めの悪い小娘だ。
流石は、王族の血筋を引くだけのことはある。
だが、これで終わりにしてくれる!』
そう言ってアルエスは、リタに向かって鋭い牙で襲いかかる。
「リタ!」
アルエスに噛みつかれそうになっているリタの前に、ナンシーが出る。
彼女は黒い大顎に、頭から噛まれた。
「ナンシー! そんな……」
ナンシーを飲み込んだまま口を閉じようとするアルエスの様子を見て、リタとヨゼフは涙を流した。
涙と血液が混ざり、赤い線となって頬をつたる。
その時、アルエスの大顎に変化が起こった。
その視線の先には、赤い全身で必死にアルエスの上顎を持ち上げる少女の姿があった。
(ナンシーだ!)
リタとヨゼフはそう思った。
闇の要塞と魔界の狭間で、熱く、激しい攻防が繰り広げられている。
その戦いを強いているのは、太古の昔から語り継がれている邪悪な存在、闇龍アルエス。
その背後で、灼熱の炎が天井付近にまで燃え広がっている。
だが、その炎は並みのものではなく、また、色も青紫色をしていた。
それはまるで、アルエス自身が持つ憎しみと嘆きという二つの感情が炎となって、交叉しているかのように見える。
その熱さの中で、リタ達は生きて還れるかどうかはわからない戦いを、余儀なくされている。
ヨゼフやナンシーも、リタを援護しながら必死に槍や斧を駆使して、闇龍の角や腹を狙って攻撃している。
だが、アルエスの圧倒的な闇の力の前で、彼らの武器が落とされ、魔力はかき消されていく。
『先程の意気込みはどうした?
俺はまだ、全力を尽くしていないぞ』
テレパシーで言っているかのような声が、リタ達の頭を痛める。
リタの右腕からは、微量の血が流れている。
それでも三人は歯を食い縛り、必死に痛みを堪えている。
「こんなの、まだほんの序の口さ。
私達の実力は、こんなもんじゃない」
リタは起き上がりながら言った。
それを聞いて呆れたように、アルエスは言う。
『諦めの悪い小娘だ。
流石は、王族の血筋を引くだけのことはある。
だが、これで終わりにしてくれる!』
そう言ってアルエスは、リタに向かって鋭い牙で襲いかかる。
「リタ!」
アルエスに噛みつかれそうになっているリタの前に、ナンシーが出る。
彼女は黒い大顎に、頭から噛まれた。
「ナンシー! そんな……」
ナンシーを飲み込んだまま口を閉じようとするアルエスの様子を見て、リタとヨゼフは涙を流した。
涙と血液が混ざり、赤い線となって頬をつたる。
その時、アルエスの大顎に変化が起こった。
その視線の先には、赤い全身で必死にアルエスの上顎を持ち上げる少女の姿があった。
(ナンシーだ!)
リタとヨゼフはそう思った。