ガルドラ龍神伝―闇龍編―
一方、リタ一行は地下神殿の奥深くにある、砂龍神デュラックの像がある部屋の仕掛けを懸命に探っている。


「ヨゼフ、そっちはどうだい?」


リタは、砂龍神像の頭部にいるヨゼフに声をかけた。


ヨゼフは首を横に振り、手で大きな罰点を作って合図した。


「そうか……。ナンシー、君は?」


今度は、像の右腕にいるナンシーに声をかけた。


彼女の方は何かを見つけたかのように、手で大きな丸を作って合図した。


リタはヨゼフを背負い、ナンシーがいる方向に飛ぶ。


「何を見つけたの?」


ヨゼフは興奮気味に言った。


リタは彼を制止した。


三人が見つけた物。


それは、フィブラス砂漠に広がる砂のように青く輝く、爪のような形の武器だった。


「もしかしてこの爪、デュラックが生前に使っていたとされる≪セイント・ウェポン≫?」


三人は、不思議そうにその爪を見る。


すると突然、爪から眩しいほどの光が放たれた。


その光は、生前のデュラックと思わしき男性を映し出す。


それはまるで、立体映像のように見える。


リタは驚きながら訪ねる。


「あ、あなたは、砂龍神デュラックですか?」


リタの言葉を聞き、男性は頷く。


彼は話を続ける。


『さよう。砂龍神デュラックとは、私のことだ。見たところ、そなたは大層、高貴な身分のようだが……』


神は古典的な言い方で、リタの身分を探る。


彼女は胸を張って、自己紹介をする。


「私はフィブラス王女、リタと申します」


『なるほど。どうりで、気高さを感じるはずだ』


「それはどういう……?」


リタは砂龍神が発した言葉に、疑問を浮かべる。


神はその疑問に答える。


『そんなに難しく考えることはない。私はただ、お前が王族に生まれながら、ある程度の気高さを備え持っていると言いたかったのだよ』


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