ガルドラ龍神伝―闇龍編―
第五話:リタ姫の旅立ち宣言
1
砂龍城での二日間。――
その第一日目は、地下神殿での冒険。
キア一味の魔道師の妨害もあった。
が、ヨゼフの頑張りで、魔道師を追い払うことができた。
神殿の中にはたくさんの仕掛けや罠があったけれど、それらも全て乗り越え、無事に砂龍神の所に辿り着く。
リタの努力が報われ、≪セイント・ウェポン≫と呼ばれる武器の一つ、≪デュラック・クロー≫を手に入れることができた。
第二日目。――
リタが九年ぶりに、フィブラス砂漠に帰ってきたことを祝福するパーティの準備。
そして、そのパーティの開催。
彼女は奴隷達が着ている薄汚れた服から、水色のフリルがついた青いドレスに着替える。
最も、髪型はポニーテールのままだったが。
(やっと、≪砂龍族の王女≫の風格を取り戻したよ。だけど、まずはこの痩せすぎた体をどうにかしないと。ドレスもぶかぶかだよ)
リタは鏡を見ながら、溜め息をつく。
その鏡に映し出される姿が、本来の龍の姿ではなく、北端の領国の領主の呪いによって変えられた姿だったからだ。
といっても、耳や羽、尻尾は本来の形で残っているが。
(この顔、この姿。ギルスやセルセインに、どう説明したら良いだろう。父上やジオには、予め説明してあるけど)
リタはまた、溜め息をつく。
その時、近衛兵のセルセインが心配して彼女の部屋に入ってきた。
最も、それは偶然見かけたのではなく、彼女が溜め息をついている、ということを門番から聞いたからだ。
「セルセインか……。何か用かい?」
「『何か用かい?』ではありません。私はあなたのことを、心配して差し上げているのですよ」
セルセインは顔を曇らせて言った。
リタは彼女に謝った。
「ごめん。謝るから、落ち着いてよ。それで?」
「ディフレンから、あなたが溜め息をついていらっしゃるので慰めてあげて下さい、と伝言を預かったから来てみたのです。殿下、何か悩み事を抱えていらっしゃるのですか?」
砂龍城での二日間。――
その第一日目は、地下神殿での冒険。
キア一味の魔道師の妨害もあった。
が、ヨゼフの頑張りで、魔道師を追い払うことができた。
神殿の中にはたくさんの仕掛けや罠があったけれど、それらも全て乗り越え、無事に砂龍神の所に辿り着く。
リタの努力が報われ、≪セイント・ウェポン≫と呼ばれる武器の一つ、≪デュラック・クロー≫を手に入れることができた。
第二日目。――
リタが九年ぶりに、フィブラス砂漠に帰ってきたことを祝福するパーティの準備。
そして、そのパーティの開催。
彼女は奴隷達が着ている薄汚れた服から、水色のフリルがついた青いドレスに着替える。
最も、髪型はポニーテールのままだったが。
(やっと、≪砂龍族の王女≫の風格を取り戻したよ。だけど、まずはこの痩せすぎた体をどうにかしないと。ドレスもぶかぶかだよ)
リタは鏡を見ながら、溜め息をつく。
その鏡に映し出される姿が、本来の龍の姿ではなく、北端の領国の領主の呪いによって変えられた姿だったからだ。
といっても、耳や羽、尻尾は本来の形で残っているが。
(この顔、この姿。ギルスやセルセインに、どう説明したら良いだろう。父上やジオには、予め説明してあるけど)
リタはまた、溜め息をつく。
その時、近衛兵のセルセインが心配して彼女の部屋に入ってきた。
最も、それは偶然見かけたのではなく、彼女が溜め息をついている、ということを門番から聞いたからだ。
「セルセインか……。何か用かい?」
「『何か用かい?』ではありません。私はあなたのことを、心配して差し上げているのですよ」
セルセインは顔を曇らせて言った。
リタは彼女に謝った。
「ごめん。謝るから、落ち着いてよ。それで?」
「ディフレンから、あなたが溜め息をついていらっしゃるので慰めてあげて下さい、と伝言を預かったから来てみたのです。殿下、何か悩み事を抱えていらっしゃるのですか?」