ガルドラ龍神伝―闇龍編―
3
静かに吹きすさんでいた風もやみ、月が黒い雲の中から姿を現す。
辺りの砂が、サファイアのように青く輝いて見える。
先程まで城内にいたランディー王や兵士達も外に出て、若者達のダンスを見ている。
その中でリタだけは、ヨゼフやナンシーと話し合っている。
「そのドレスにティアラ、よく似合ってるわね。流石は、≪砂龍族の王女様≫ね」
ナンシーはリタを褒めた。
が、彼女はドレスに馴染めなかった。
未成年の彼女にとっては、青いドレスやそれに飾られているルビーが、即位式の雰囲気を醸し出しているようにとれるからだ。
というのも王家のしきたりでは、王位継承者となっている女性は必ず、“ルビーが鏤められた青いドレス”に身を包むことになっているからだ。――
「陛下。殿下お一人で、旅に出しても大丈夫なのですか?」
「大丈夫だろう。あの子は、自分で自分の運命を切り開こうとしている。それに、旅に出るのはリタだけではない。水龍と火龍も一緒なのだ。何も心配することはない」
「はぁ……。いわゆる、“可愛い子には旅をさせよ”ということですね?」
「ほう。ツーリアン、お前もうまいことを言うようになったな」
ランディー王とツーリアン大臣は話し合いながら、リタが冒険に出るのを喜んで見送ってあげたい、と思った。
こうして、二日目の晩は、楽しい一日となって過ぎて行ったのである。
静かに吹きすさんでいた風もやみ、月が黒い雲の中から姿を現す。
辺りの砂が、サファイアのように青く輝いて見える。
先程まで城内にいたランディー王や兵士達も外に出て、若者達のダンスを見ている。
その中でリタだけは、ヨゼフやナンシーと話し合っている。
「そのドレスにティアラ、よく似合ってるわね。流石は、≪砂龍族の王女様≫ね」
ナンシーはリタを褒めた。
が、彼女はドレスに馴染めなかった。
未成年の彼女にとっては、青いドレスやそれに飾られているルビーが、即位式の雰囲気を醸し出しているようにとれるからだ。
というのも王家のしきたりでは、王位継承者となっている女性は必ず、“ルビーが鏤められた青いドレス”に身を包むことになっているからだ。――
「陛下。殿下お一人で、旅に出しても大丈夫なのですか?」
「大丈夫だろう。あの子は、自分で自分の運命を切り開こうとしている。それに、旅に出るのはリタだけではない。水龍と火龍も一緒なのだ。何も心配することはない」
「はぁ……。いわゆる、“可愛い子には旅をさせよ”ということですね?」
「ほう。ツーリアン、お前もうまいことを言うようになったな」
ランディー王とツーリアン大臣は話し合いながら、リタが冒険に出るのを喜んで見送ってあげたい、と思った。
こうして、二日目の晩は、楽しい一日となって過ぎて行ったのである。