ガルドラ龍神伝―闇龍編―
ヨゼフとナンシーは、距離が遠いために疲れた顔をしている。
一方でリタは、至って涼しい顔をして、辺りを見回している。
その時、神殿が大きく揺れ、振動のせいで彼女達はふらふらになった。
それは、立っているのも辛い程だった。
数秒後、揺れは嘘のように止まった。
「今のは、地震かしら?」
「馬鹿だなぁ、ナンシー。地震は普通、地上で起こるものさ。ここは、水中にある神殿だよ?」
ヨゼフに馬鹿呼ばわりされ、ナンシーは「それくらい、私にもわかるわ」と言いたげに頬を膨らませる。
三人はそのまま三メートル歩き、水龍神アークレイらしき巨大像を見つけた。
その像はガラス細工でできていて、周辺には大きな噴水状の彫刻がある。
その水はまるで、水龍神の力が込められているかのように、不思議な色を纏っている。
「ここが、水龍神の間……」
「水龍戦士と、千五百年ぶりに再会できる場所ということだな」
リタの言葉を聞き、他の二人は思わず彼女の方を振り向く。
彼女の発言が、あまりにも妙だったからだ。
「リタ、大丈夫?」
ヨゼフは、リタの顔に手を翳しながら訪ねる。
彼女はふと、我に返り、辺りを見回す。
「私、今何を言ってたの?」
「あれ、覚えてないの? さっきあなたは、“水龍戦士と千五百年ぶりに会える”みたいなことを、言ってたのよ」
「そうそう。まるで、神に転生した砂龍戦士デュラックみたいな口調だったよ」
「そうだったんだ……。ごめん」
ヨゼフやナンシーに責められ、リタは半ば落ち込んでいる様子でもあった。
ふと、ヨゼフは思った。
(メアリーの言う通り、リタは砂龍神の生まれ変わりなのか?)
リタの前世について考える一方、それは絶対有り得ない、第一生まれ変わりなどいるはずもない、とも彼は考えた。
彼が考えている間に、リタは水龍神像の上顎と下顎の間に挟まっている、一メートルくらいの長さの槍を見ていた。
その槍は、先端が紫色で鋭く尖っていて、その先端付近が水龍族の魔族達の耳と同じデザインになっている。
一方でリタは、至って涼しい顔をして、辺りを見回している。
その時、神殿が大きく揺れ、振動のせいで彼女達はふらふらになった。
それは、立っているのも辛い程だった。
数秒後、揺れは嘘のように止まった。
「今のは、地震かしら?」
「馬鹿だなぁ、ナンシー。地震は普通、地上で起こるものさ。ここは、水中にある神殿だよ?」
ヨゼフに馬鹿呼ばわりされ、ナンシーは「それくらい、私にもわかるわ」と言いたげに頬を膨らませる。
三人はそのまま三メートル歩き、水龍神アークレイらしき巨大像を見つけた。
その像はガラス細工でできていて、周辺には大きな噴水状の彫刻がある。
その水はまるで、水龍神の力が込められているかのように、不思議な色を纏っている。
「ここが、水龍神の間……」
「水龍戦士と、千五百年ぶりに再会できる場所ということだな」
リタの言葉を聞き、他の二人は思わず彼女の方を振り向く。
彼女の発言が、あまりにも妙だったからだ。
「リタ、大丈夫?」
ヨゼフは、リタの顔に手を翳しながら訪ねる。
彼女はふと、我に返り、辺りを見回す。
「私、今何を言ってたの?」
「あれ、覚えてないの? さっきあなたは、“水龍戦士と千五百年ぶりに会える”みたいなことを、言ってたのよ」
「そうそう。まるで、神に転生した砂龍戦士デュラックみたいな口調だったよ」
「そうだったんだ……。ごめん」
ヨゼフやナンシーに責められ、リタは半ば落ち込んでいる様子でもあった。
ふと、ヨゼフは思った。
(メアリーの言う通り、リタは砂龍神の生まれ変わりなのか?)
リタの前世について考える一方、それは絶対有り得ない、第一生まれ変わりなどいるはずもない、とも彼は考えた。
彼が考えている間に、リタは水龍神像の上顎と下顎の間に挟まっている、一メートルくらいの長さの槍を見ていた。
その槍は、先端が紫色で鋭く尖っていて、その先端付近が水龍族の魔族達の耳と同じデザインになっている。